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【2023年】予備試験の行政法の出題傾向と具体的対策【図表あり】

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シホウ
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「最小限の独力で最大の成果」を理念に司法試験、予備試験に合格するための勉強法を研究し、予備試験に合格(論文300番台、口述2桁)。翌年1発で司法試験に合格(総合順位100番台)。現在は弁護士として企業法務系法律事務所に所属しながら、司法試験、予備試験に合格するためのノウハウを発信する。

『予備試験行政法の出題傾向を知りたい』

『予備試験行政法の具体的な対策方法を知りたい』

今回は、予備試験の行政法の論文対策について解説します。

予備試験の行政法は、個人的に対策がしやすい科目だと考えています。憲法と同様に、参照条文が付されます。この参照条文をいかに使うかということがポイントとなる科目とも言えます。

基本7科目の中で、一番法的素養が問われる試験といってもいいでしょう。言い換えると、一番、知識が不要な科目でもあります。

また、法的素養がなくても、処理手順があるので、その手順通りに検討していけば、合格答案を作成することができます。

目次
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予備試験行政法の出題事項、出題傾向

予備試験行政法の出題傾向を見ていきましょう。過去の出題事項をまとめてみました。

予備試験行政法の出題事項

予備試験行政法の過去の主な出題事項は以下の表のとおりです。確認していきましょう。

令和4年度令和3年度
取消訴訟の訴訟要件としての出訴期間
無効等確認訴訟の本案勝訴要件
行政性分の附款
取消判決の形成力、拘束力
行政処分の実体的違法性
令和2年度令和元年度
行政契約の実体法的な違法
取消訴訟の訴訟要件
原告適格
委任条例
平成30年度平成29年度
処分性

実体的違法

品川マンション事件

原告適格

平成28年度平成27年度
訴えの利益

手続的違法

実体的違法

処分性

信義則違反

平成26年度平成25年度
申請拒否処分と不利益処分の手続規律の相違

受益処分の撤回

目的外使用許可の裁量

救済方法

仮の義務付け

非申請型義務付け

H24H23
実体的違法

手続的違法

処分性

提起すべき訴訟と訴訟要件

予備試験行政法の出題傾向

司法試験のオーソドックスな出題は、行政裁量(実体的違法)と行政救済法(処分性、原告適格など)を問う出題です。

予備試験でも、似たような出題がされています。受験生としては、①行政救済法からの出題と、②処分の実体的違法性③手続的違法性をまず、重点的に勉強するべきでしょう。

そのあと、行政調査や国賠訴訟などややマイナーな単元(重要ではあります)の学習をするという方針でいいと思います。

また、行政法では、現場で、個別法の解釈をすることも要求されますので、個別法の解釈や読み取りについても慣れておく必要があります。

予備試験行政法の具体的対策

予備試験行政法の出題傾向がわかったところで、行政法の具体的対策について解説していきたいと思います。

①行政救済法

行政救済法の出題頻度は高いです。この傾向は、司法試験も同様であり、おおよそ毎年、処分性、原告適格、訴えの利益のいずれかが問われています。司法試験委員会の関心の高さが伺えます。作問がしやすいという事情も影響していると思いますが。

処分性、原告適格、訴えの利益は必ずマスターしてください。このうちのどれかが、出題される可能性が非常に高いです。規範がかけるのは、当たり前であり、判例を意識した当てはめができるようになる必要があります。

憲法と同様に、処分性、原告適格、訴えの利益の重要判例については、精読するべきでしょう。特に、結論に至るまでの論理構造を丁寧に追い、答案上でもそれに依拠した論証を展開することができるようにならなければいけません。

ただ、この3点(処分性、原告適格、訴えの利益)だけでは当然足りません。予備試験行政法では、救済方法の選択が問われたり、取消訴訟以外の抗告訴訟の訴訟要件が問われている年もあります。各抗告訴訟の訴訟要件は、条文を見なくても指摘できるようになりたいところです。

時間的にタイトでもありますし、訴訟要件として法定されている趣旨を考えれば、案外簡単に覚えることができます。

取消訴訟以外の抗告訴訟を、取消訴訟の派生類型と考えて、取消訴訟の訴訟要件をベースに、当該抗告訴訟の特徴よりいかように変化するのかを考えるといいでしょう。

例えば、差止訴訟の訴訟要件として、処分の蓋然性があります。これは、差止訴訟が、処分を事前に予防するという訴訟であることから、簡単に導くことができます。

ただ暗記するだけでなく、なぜ、この抗告訴訟が法定されているのか、なぜ、この事項が訴訟要件として法定されているのか。その意義に立ち返ること理解が深まり、暗記も容易くなるでしょう。

②実体的違法

処分の実体的違法も頻繁に問われています。処分の実体的違法については、処理手順をマスターすれば、ある程度の論述が可能となります。この処理手順については、別途解説記事を執筆中でありますので、そちらを参照していただけると幸いです。

実体的違法を論じるに当たって、気をつけるべきことは、内部基準の取り扱いです。内部基準が絡む問題類型は限定されています。この問題類型の特定を間違えると、大幅な減点になりますので、事前に準備しておく必要があります。

簡単に解説すると、①内部基準(裁量基準)通りの処分がされた事案、②内部基準(裁量基準)から逸脱した処分がされた場合、③内部基準が解釈基準である場合の、三つの類型に分けることができます。

内部基準を絡ませた問題は、司法試験でも頻出ですので、予備試験受験時にマスターしておきたいところです。

③手続的違法

手続的違法は、実体的違法よりも頻度は下がりますが、平成28年と平成24年に出題されており、頻出のテーマと言えます。理由附記の程度や、手続的瑕疵が取消事由を基礎付けるかについては、事前に論証を用意しておくべきでしょう。

また重要論点もある理由附記については、内部基準が公表されていた場合に要求される理由附記の程度という応用的論点についても論証を準備しておくべきでしょう。

④個別法の読み取り

行政法救済法の問題であれ、実体的違法の問題であれ、行政法の問題を解くために、個別法の読み取りは不可欠です。

個別法の読み取りは、コツがあるというより、慣れの問題だと思います。判例を勉強する際には、できるだけ条文を確認したいところです。

とは言え、古い判例の場合、個別法が改正されていることも多いですから、毎回というのは難しいです。

そのため、事例演習を通して、慣れていくことがいいと思います。事例演習をする際に、掲載されている参考条文を一つ一つ読み込んで、条文間の関係や、条文の趣旨や、法令の構造などを考えるようにすれば十分だと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。

本記事では、予備試験行政法の過去の出題事項、出題傾向、予備試験行政法の具体的な対策方法について解説をさせて頂きました。

以上が、司法試験予備試験の論文式•行政法の対策となります。

本記事を読まれている方は「予備試験」に挑戦している方々だと思います。

勉強法にはいろいろな方法がありますが、私は、徹底的に勉強法を研究し、予備試験に合格することができました。

下記記事では、私が予備試験に合格することができた勉強をすべてまとめています。是非、参考にしてみくてください。

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この記事を書いた人

「最小限の独力で最大の成果」を理念に司法試験、予備試験に合格するための勉強法を研究し、予備試験に合格(論文300台位、口述2桁)し、翌年1発で司法試験に合格(総合順位100番台)。現在は弁護士として企業法務系法律事務所に所属しながら、司法試験、予備試験に合格するためのノウハウを発信する。

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