「アガルートの重要問題習得講座の使い方・回し方が分からない」
「司法試験合格者は重要問題習得講座をどのようにつかっているのだろうか」
今回は、私が、アガルートアカデミーの『重要問題習得講座』をどのように使っていたのかをご紹介したいと思います。私は,本講座をやり抜いて,平成30年度予備試験,令和元年司法試験に合格しました。司法試験の順位は、論文総合100位台でした。
効率よく学習したいという人以外は、読まないで下さい。
※以下、講座名をクリックすると公式サイトに飛びます。
※講座購入の際には、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
※情報の正確性には注意していますが、保証いたしかねますので、公式サイトをご覧ください。
重要問題習得講座とは
『重要問題習得講座』とは、アガルートアカデミーが提供する司法試験・予備試験の論文対策講座です。
アガルートアカデミーの令和4年度司法試験の合格者占有率は脅威の45.3%です。多くの受験生がアガルートの講義を受けていたことになります。司法試験は、相対評価の試験です。多くの受験生が利用している予備校を使うことは、この観点からも安心材料になりますし、何よりも、合格実績が良いと日ごろのモチベーションにもつながりますね。
予備試験であれ司法試験であれ、山場は論文です。論文ができなければ合格することが出来ません。そんな中、論文対策講座としてイチオシの講座が、重要問題習得講座となります。
公式サイトには
この問題を繰り返せば、もう論文式試験は怖くないという自信を身につけられる講座
と紹介されています。
『総合講義100』『論証集講座』『重要問題習得講座』
の三つの講座は、超おすすめ講座です。個人的には、この3講座だけで、十分に合格水準に達するのではと思っています。
→→→クリックして、『総合講義100 』のレビュー記事を確認する
→→→クリックして、『論証集の使い方講座』のレビュー記事を確認する
問題数
重要問題習得講座には、全7科目で450問が収録されています。1科目平均すると、約64問となります。必要かつ十分な演習量であると思います。
講義時間
重要問題習得講座の講義時間は、以下の通りです。
テキストには、詳細な解説があるので、講義は、必要な範囲で聴けばいいと思います
◇憲法:約10時間
◇行政法:約6時間
◇民法:約12時間
◇商法:約9時間
◇民事訴訟法:約9時間
◇刑法:約10時間
◇刑事訴訟法:約9時間
◆合計:約65時間
2021年版の収録時間は、以下のとおりです。収録時間は、私が使っていた当時と変わらないようです。
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- 憲法約10時間
- 行政法約6時間
- 民法約12時間
- 商法約9時間
- 民事訴訟法約9時間
- 刑法約10時間
- 刑事訴訟法約9時間
- 合計約65時間
- ※時間数は,多少前後する場合がございます。
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テキスト
テキストは、司法試験予備校では珍しい、フルカラーテキストです。
問題→解説→模範解答の構成になっています。

問題
問題には、アガルートオリジナル問題、旧司法試験の過去問、予備試験の過去問、ロースクール入試の過去問など様々な問題が掲載されています。難易度としては、ロースクール入試から予備試験論文の中間くらいの難易度だと思います。これらをマスターすれば、十分に予備試験に合格レベルの力がつくと思います。
解説
重要問題習得講座の解説は、判例や学説に裏打ちされており、内容は正確です。
模範解答
重要問題習得講座には、模範解答も付いていますので、答案作成後に、自分の答案と比較することで、どこが悪かったのか自己分析をすることができます。
音声ダウンロードが可能
講義の音声をダウンロードすることが出来るので、オフラインでも視聴することが出来ます。視聴期間を気にすることなく、勉強をすることが出来るのは魅力的であると思います。視聴期限が過ぎ、受講することができなくなり、再受講する人もいますが、アガルートであれば、音声をダウンロードすることができるので、期限内にダウンロードすれば、講義音声を聞くことができます。
問題冊子のデータ提供
重要問題習得講座に収録されている問題部分だけを集約した問題冊子データをダウンロードすることが出来ます。私の場合、問題演習の際に、20問くらいを一気に印刷して1日で解いたり、口述するようにランダムに解いたりしていました。問題冊子のデータが使えるのは、意外と役に立ちます。
司法試験の出題趣旨・採点実感等のデータ提供
司法試験の出題趣旨・採点実感をまとめたものをPDFデータとして貰えます。
Facebookグループでの質問対応
全7科目を一括購入された場合には、Facebookグループで質問をすることが出来るみたいです。
私は、利用しませんでした。
論点マップ
巻末には、論点マップがついていますので、総合講義や論証集講義の該当箇所を参照しやすくなっています。また、後述するような問題をランダムに演習する勉強法をするには、この論点マップが不可欠です。

左側の数字は、私が加えたものです。
旧司法試験の過去問を取り組む前に
司法試験・予備試験の対策として、旧司法試験の過去問を解こうとしている人も多いと思います。
確かに、旧司法試験には、良質な問題が多く、取り組むことが望ましいと思います。ただし、総合講義などの基礎講座を受講中の方・受講を終えたばかりの人には、推奨しません。まず、旧司法試験には、一行問題が存在します。現行の司法試験には存在しない出題形式なので、やる必要はないでしょう。
また、一行問題を除外したとしても、網羅生に欠けるので、基礎固めには不向きです。
まずは、重要問題習得講座のように、短文事例問題で演習を重ねて、穴を埋めて、土台を固めることにフォーカスするべきです。応用的な問題は、重要問題を取得してから、予備試験・司法試験の過去問などを使用して、取り掛かれば良いと思います。
私の使い方
勉強の進捗に合わせて使い方を変えていました。
(1)初学段階
勉強を始めた当初は、総合講義の受講と並行して重要問題習得講座を受講していました。
論点と問題対照表(論点マップ)も付いているので、ある論点を学習したら、当該論点が出題されている問題を解いていました。
解くといっても、この段階では、論証ができる段階でもないですし、インプットも曖昧な感じですので、問題の事案、解説、答案を読んでいるだけだったと思います。
目的は、学習したことが、試験ではどのように問われるのかを確認することでした。
(2)論点抽出だけに特化
ある程度勉強が進んできて、論証までは出来ないけど、問題の所在がわかる程度の段階では、論点抽出に特化して1日20問くらい解いてました。単元ごとに順番ずつ解いてました。
答案構成せずに、論点だけ抽出して、すぐ答え合わせをするという感じです。
抽出できなかった論点や問題の所在がわからない論点については、該当箇所を総合講義のテキストで復習していました。
(3)答案構成も
さらに勉強が進んで答案の型が身についてきた段階では、1日20問くらい、答案構成をしてました。
この段階から、始めて講義を受講していました。重要問題習得講座には、詳細な解説が付いているので、個人的には、このレベルに達するまでは、講義を聴かなくても良いと思います。
メモ書きは、余白にしてました。

(4)試験前
試験前は、出題範囲の問題をランダムに解いてました。試験では何が出題されるかわからないので、体系通りではなく、ランダムに解くようにしていました。また、記憶のメカニズムからしても、ランダムに問題演習をすることは、記憶の定着を促すことが科学的に証明されています(参照:圧倒的に記憶の定着を促す勉強法 – 司法試験・予備試験応援サイト )。
例えば、民法総則の試験前であれば、民法総則の論点がメインで出題されている問題をランダムで解きます。
私が受講していた当時の本講座には、第1問から第12問までが民法総則の問題だったので、1〜12問をランダムで解くということをしていました。
私の場合は、乱数生成アプリを使っていました。

上記の場合、第7問→第11問→8問→5問の順で解いていきます。
予備試験や司法試験の直前であれば、全科目の全問題をランダムで解くということをしていました。この段階でも基本的には、問題構成だけしていました。1日に2問くらいは、答案作成もするという感じです。
体系順ではなく、手当たり次第に演習するのは、大変オススメです。ゲーム感覚で解くことが出来ますし、飽きにくいです。
直前期は、論点もランダムに論証できるか確認していました。
以下のように、論点マップの論点に番号を振って、ランダムに論証できるか試していました。

(4)乱数アプリで、ランダムで解きまくる
すでに言及している通り、勉強の最終段階では、乱数アプリを使ってランダムに解きまくっていました。
直前すぎて何したらよく分からない時期も、基本的にランダムに問題を解き、ランダムに論点を確認するということをしていました。百選もランダムに復習するといいかもしれません。
無作為に選ばれた問題を、正確に答案構成をできるレベルになれば、予備試験であればすでに合格水準にあると言えます。私の場合、司法試験の直前では、問題を見れば、頭の中で瞬時に答案構成を練れるくらいになっていました。
重要問題習得講座の魅力
重要問題習得講座の魅力は、①網羅性と②解説の正確性及び③自学の便宜です。
著名な演習書や旧司法試験の過去問講座などがありますが、上記三つを満たすものは多くないです。
①網羅性
司法試験に確実に合格するためには、少なくとも既知の論点を落とさない、書き負けないということが大切です。
例えば、旧司法試験の過去問は、良質な問題が多く、取り組まれている受験生も多いかと思います。しかし、旧司法試験の過去問は、網羅性に欠けます。アウトプットのベース教材としては、不向きでしょう。この点、アガルートの重要問題習得講座では、論文試験で出題が考えられる論点は、ほぼ全て網羅されていると思います。網羅的に演習できる点が、本講座の最大の魅力です。
②正確性
次に、解説は、判例や文献で裏付けされたもので、正確です。正確な解説を受けることが出来ます。また、すでに言及しているように、重要問題習得講座の解説は、かなり詳細で、講義を受講しなくても学習できるようになっています。こ
③自学の便宜(問題演習を徹底的にやり込める工夫がされている)
また、自学の便宜が図られている点も魅力的です。総合講義テキストや、論証集講座との相互参照がしやすいように作られていますし、問題冊子のデータをダウンロードして印刷が出来たり、詳細な解説が付いていたり、問題演習を徹底的にやり込むための工夫が随所で見られます。
【追記】最新バージョンはこんな感じです←NEW
2021年版のテキストの概要についてご紹介致します。
外観は、従来通り。
問題数
問題数は、私が受験生の時に使用していた時よりボリュームがアップしております。私の時は、全体的に40から60問程度だったと思いますが、2021年版では、70問を超える科目がありますね。受験生としては、この講座の受講を決めたのなら、ほかの市販の問題集に手を広げず、この問題集を徹底的にやり込むというの大アリだと思います。網羅性はさらに強化されています。以下、科目ごとに収録されている問題数を記しておきます。
憲法
→68問(総合編3問を含む)
行政法
→48問(総合編3問を含む)
民法
→73問(総合編3問を含む)
商法
→63問(総合編3問含む)
民事訴訟法
→58問(総合編3問を含む)
刑法
→78問(総合編3問を含む)
刑事訴訟法
→58問(総合編3問を含む)
問題番号順論点表
私が、受験生の時代に使っていたものには、「問題番号順論点表」なるものは、掲載されていませんでした。随時アップグレードされているようですね。
この問題番号順論点表は、その名のとおり、問題番号ごとに、出題論点を整理したものになります。
使い方としては、例えば、問題を解く前に、「問題番号出題論点表」を確認してから、出題される論点を確認し、復習してから、問題に取り組むという方法が考えられると思います。問題演習に取り組み始めた段階では、なかなか論点の抽出すら上手く肝心な論証のアウトプットまで行きつかないということもあるかと思います。確かに、論点の抽出の訓練も大事ですが、たまには、出題論点を把握したうえで、論証を正確に展開する訓練もしておきたいところです。
上記のようなニーズは、確かに受験生に認められるものだと思います。今回のアップグレードは、受験生のニーズに応じた講座設計を得意とするアガルートならではだと私は考えています。
今回の記事では、私が受験生時代に、この講座をどのように使っていたかを解説しておりますが、講座の内容もアップグレードされているようですし、また、出題の傾向も私のころ(2018年予備試験受験、2019年司法試験受験)と変わっているところもあるかと思いますので、あくまでも参考に考えていただければ幸いです。
とはいえ、今でも受験生にお勧めしたい講座であることは間違いありません。予備校の講座ですので、決して安くはない金額だと思いますが、予備試験・司法試験の合格というリターンを狙うための投資としては、高くないと思います。
最終的に、どの講座を使うのか、予備校を使うのかも、それぞれの受験生の環境にもよると思います。フルにサポートを受けたいのか、スポット的にサポートを受けたいのか。私の基本的姿勢は、スポット的活用でした。しかし、振り返ってみると、結果的には、フルサポートに近かったと思います。最初の段階で、フルサポートを受けるべきかも悩ましい点です。やはりお金がかかりますから。
私の提案としては、学習の初期段階で投下できるリソースをあらかじめ決めておくことです。お金もそうですし、時間についても同様です。勉強機関として、3年確保できるのか、1年しか確保できないのかで戦略も異なってきます。お金の面も、学生さんが多いでしょうから、親御さんと話し合いいくらまでなら支援をもらえるのかも聞いておいてもよいでしょう。あるいは、バイトで稼ぐという方法も検討してもよいと思います。
司法試験や予備試験の挑戦は、時間お金等のリソースの投下が必ず必要です。このあたりの戦略も早い段階で、固めておきたいところです。
進化し続けている重要問題習得講座で最短合格をつかみ取ろう!!
こんな人にオススメ
これから問題演習に取り組もうと考えている人
弱点をなくしたいと考えている人
確実に合格したいと考えている人
問題集を「この一冊」と決めて取り組みたい方
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