このブログは、サイト運営者が2018年予備試験及び2019年司法試験に合格した経験を踏まえて、勉強方法等のノウハウを発信してきました。ピーク時の月間PV数は4万を超えており、記事の中でも、アガルート教材のレビュー記事がよく読まれていました。
いまの「5チャンネル」に当たる司法試験掲示板においても、当サイトの記事が紹介されていました(当然、賛否はあったと思われます)
よく読まれていた記事は、以下のとおりです。
・【2024年】アガルート『論証集』を使った身になる勉強法と合格者の使い方
・法学既習者に総合講義100が断然オススメである理由【アガルート】
・【予備合格者解説】アガルート 『論証集の使い方講座」の使い方を徹底解説
・【合格者解説】総合講義100の評判と使い方-使い方次第でもっと合格に近づく
・上位合格者によるアガルートの短答知識完成講座のレビューと使い方
・【2024】アガルートの重要問題習得講座の使い方と評判【上位合格者解説】
『今でもアクセスされています!』気になる方は是非、ご覧ください。
これらの記事はいずれも2019年に初稿を書き上げています。
当時は、アガルートが設立された間もなく、アガルート講座のレビュー記事を公開しているブログは少なく、かなりのアクセスを得ていました。その後、更新を続けていますが、主な内容は2019年に作成したものです。もう5年も前になりますが、現在でも安定したアクセスを獲得しています。
私が受験生をしていた時から司法試験の制度も変わっています。
今回は、今の司法試験制度をどう攻略するか?を本気で考察する記事です。
司法試験受験や弁護士として働く中での経験、今まで記事を書いてきたナレッジから、私が今の司法試験受験生ならどうするかを考えました。少しでも参考になれば幸いです。
こちらの記事は以下の方向けに作成しています。
・法学部入学前~法学部在学中の方
・法科大学院在学中の方
・司法試験受験生の方
様々な人に向けて、この記事を読めば制度の全体像が分かる記事を作成しておりますので、該当する項目まで目次で飛んでいただくと読みやすいかと思います。
まずは、現在の司法試験受験生の環境(法曹コースや司法試験合格率等)について、司法試験攻略法を考えるに際して重要な点を取り上げたいと思います。
大学入学前~在学中
令和の目標設定:法科大学院在学中に、司法試験を一発合格
令和の時代で、司法試験制度は大きく変わりました。大きな変化の一つといえば「2023年司法試験制度改革」です。以下のような項目で変更がありました。
一番大きな違いは、「法曹コース」の新設です。
法学部3年と法科大学院既修2年で法務博士の取得が可能になりました(上記①)。
さらに、在学中に司法試験を受験ができるようになりました(上記③)。またそれに伴い、法科大学院を卒業後5月に司法試験が実施されていましが、今の司法試験受験生は、法科大学院の最終学年の7月に司法試験を受験することができるようになりました(上記④)。
在学中に司法試験を受験できるようになったことから、受験しない手はないと思います。在学中に受験し、一発合格を目指していきましょう。
『ロー在学中に、司法試験を一発合格する』
この目標達成のために全力を尽くしていきます。
令和の受験資格戦略:法科大学院か?予備試験か?
司法試験は誰でも受験できるわけではありません。
受験するには受験資格を持っていなければなりません。ルートは2つあり、予備試験ルート、法科大学院ルートです。それぞれメリット、デメリットがあります。
しかし、基本的に司法試験にチャレンジすることを決意した時期でどのルートを選ぶか決めれば良いかと思います。
法学部1・2年生の方:予備試験ルート
あなたが今「法学部1年生又は2年生」で本気で司法試験に挑むことを決意したのであれば、予備試験にチャレンジしてみてください。
予備試験にチャレンジしたい方は「予備試験合格ロードマップ」をご覧ください。
【入学後のフロー:予備試験ルート】
法科大学院は気にせず予備試験に本気でチャレンジ
目標は法学部3年生又は4年生で合格すること
予備試験に合格したら翌年に司法試験に合格する
法学部3・4年生の方:法科大学院ルート
あなたが法学部3年生以上なら、もう予備試験は捨てて、「法科大学院ルート一択」です。
予備試験のメリットは、これまで法科大学院を修了する必要がなかった点です。
要は、時間と学費を節約できる点が何よりもメリットでした。しかし、このうち「時間」については、法科大学院在学中に受験できるようになって、予備試験の時間的なメリットは激減。法学部3年生以上なら迷わず法科大学院ルートにしましょう。予備試験のことはガン無視でOK。
【入学後のフロー:法科大学院ルート】
予備試験は気にせず、法科大学院既習コースに入学する。未修は行かない。
在学中受験で司法試験に合格する
法科大学院ルートで大切な点は「どの法科大学院に入学するか?」という点と「未修コースにはいかない」という点です。
以下では、法科大学院進学を前提に司法試験に攻略する方法について解説させて頂きます。
令和の法科大学院選択:どこに進学するべきか?
さて、ここからは「法科大学院ルート」を前提に、司法試験を攻略する方法を解説させて頂きます。法科大学院ルートでまず大事な点は、「どこの法科大学院に入学するか?」という点です。
現在、法科大学院は全国で34校存在します。すべての法科大学院を確認したい方は法科大学院検索サイトの「#ロースクールはいいぞ」が参考になります。
各法科大学院にはそれぞれ魅力があります。情報収集をしたうえで第一志望を選びましょう。特にこだわりはなく、とにかく司法試験の合格率を高めたいのであれば、累積合格率の高い法科大学院がよいでしょう。
累積合格率とは「H17~該当年度修了者」までの数値の累積のことを言います。
司法試験の合格率を高めたい方:累積合格率の高い法科大学院
以下の上位15校の法科大学院から第一志望を決めると良いかと思います。令和4年度までの累計を見てみましょう。
累積合格率順位 | 法科大学院 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 一橋大ロー | 1,487 | 1,241 | 83.46% |
2位 | 京大ロー | 2,679 | 2,217 | 82.75% |
3位 | 東大ロー | 3,437 | 2,780 | 80.88% |
4位 | 慶應ロー | 3,301 | 2,645 | 80.13% |
5位 | 神大ロー | 1,296 | 967 | 74.61% |
6位 | 中大ロー | 3,462 | 2,446 | 70.65% |
7位 | 阪大ロー | 1,281 | 877 | 68.46% |
8位 | 早稲田ロー | 3,203 | 2,159 | 67.41% |
9位 | 愛知大ロー | 218 | 145 | 66.51% |
10位 | 北大ロー | 991 | 638 | 64.38% |
11位 | 名古屋大ロー | 893 | 573 | 64.17% |
12位 | 東北大ロー | 947 | 586 | 61.88% |
13位 | 千葉大ロー | 556 | 341 | 61.33% |
14位 | 東京都立大ロー | 780 | 483 | 61.92% |
15位 | 九州大ロー | 979 | 553 | 56.49% |
上位15校の法科大学院の中での選び方参考例
■合格率がより高い法科大学院を選らぶなら
一橋大ロー
京大ロー
東大ロー
慶應ロー
神大ロー
■法曹OBが多い法科大学院を選らぶなら
京大ロー
東大ロー
慶應ロー
中大ロー
早稲田ロー
■旧帝大ブランドを選らぶなら
九大ロー
阪大ロー
東大ロー
京大ロー
名古屋大ロー
東北大ロー
北大ロー
■少人数制の法科大学院を選らぶなら
神大ロー
阪大ロー
愛知大ロー
北大ロー
名古屋大ロー
東北大ロー
千葉大ロー
東京都立大ロー
九州大ロー
学費を抑えたい方:私立の法科大学院
学費をできるだけ抑えたいのであれば、私立の学費免除を狙いましょう!
私立法科大学院の選び方参考例
■合格率30%以上の私立法科大学院(一部抜粋)
慶應義塾大法科大学院
早稲田大法科大学院
中央大法科大学院
同志社大法科大学院
専修大法科大学院
■合格人数が20名以上の私立法科大学院
慶應義塾大法科大学院
早稲田大法科大学院
中央大法科大学院
明治大法科大学院
同志社大法科大学院
立命館大法科大学院
私立の法科大学院を見てみると、優秀な方には奨学金や学費免除制度を用意しているところがあります。場合によっては、ほぼ費用が掛からず、通学できる学校があるようです。
学校によって制度が違うため、気になる学校があれば、調べてみるようにしましょう。
令和の法科大学院選択:既習コース?未修コース?
法科大学院に司法試験合格を求めるのであれば、未修ではなく「既修」コースに入学するべきでしょう。
既習コースと未修コースでは、司法試験合格率に大きな差が空いています。
未修コースは避けておく方が無難
例年、司法試験では法科大学院未修コースの方の合格率が低いことが分かっています(下の図:青)。
未修コースは、法学未修の方向けのコースで3年生です。多様な人材の確保に資する一方で、合格率は既習と比べてかなり低いと言えるでしょう。
累積合格率においても未修は低い
ここで、法科大学院修了者の修了3年目の司法試験累積合格率の推移を既習、未修別で確認してみましょう。
初めに、既習の修了3年目の累計合格率は、H27とH28年修了者を除けば、70%が修了後に合格をしています。
ここで言う累積合格率とは、修了年度ごとに合格した人を累積し、その年度でどのくらいの修了性が合格したかの経過が分かる数値です(司法試験実施時に募集停止や廃止校となった場合は除いているようです)。
法科大学院修了者 司法試験累計合格率(既習)
法科大学院修了者 司法試験累計合格率(未修)
次に「未修」の司法試験の累積合格率を見ていきます。
修了3年目で、令和1年を除けば、50%が修了後に合格しています。逆に言えば50%が合格せずに
これは、修了5年目となっても、同じく50%を達していません。
法科大学院に司法試験合格を求めるのであれば、未修ではなく「既修」コースに入学するべきでしょう。
法学の素養が全くない人であっても、勉強すれば既習に入学することができます。在学年数が変わってきますので、自身のレベルを見て選択する必要はありそうです。
以下の図の色が薄いところは非法学部出身の方を示しています。既習でも非法学部出身の方はいますし、未修です法学部出身の方がいることが分かります。
法科大学院 入試対策
さて、ここからは「法科大学院入試対策」について解説させて頂きます。
順に解説していきます。
ロー入試対策①司法試験に向けて基本7科目を学習するべき
法科大学院の入試勉強でも、司法試験学習も視野に入れる
法科大学院の入試勉強でも、司法試験を視野に入れて学習をしていきましょう。
一度振り返っていただきたいのですが、法科大学院に入学する目的は「在学中の受験で司法試験を一発合格」することです。
法科大学院に入れば合格するわけではなく、在学中に勉強をし、合格するレベルまでもっていかなければなりません。実は、在学中に受験をする場合、法科大学院に入学してから司法試験受験まで1年3か月しかありません。
司法試験では、短答式試験3科目(憲法、民法、刑法)、論文式試験基本7科目+選択科目1科目が出題されます。ご存じかもしれませんが、出題範囲は膨大で、難易度も非常に高いわけです。1年3か月で網羅するというのは、かなり大変ということが想像できるのではないでしょうか?
司法試験での受験科目
・短答式試験:3科目(憲法、民法、刑法)
・論文式試験:基本7科目+選択科目1科目
アドバンテージを作るのであれば、法科大学院の入試勉強でどれだけ対策できるかも重要となってきます。入学したタイミングで、すでに、基本7科目について学習が一通り終了させ、かつ、事例演習にも取り組める状況になっている状態が理想かと思います。
司法試験合格可能性を高めたいなら、6科目以上の試験科目の法科大学院を目指す
法科大学院によっては、ロー入試は、基本3科目の出題だけであったり、5科目だけというところもあるようです。しかし、在学中受験で一発合格を目指すならば、ロー入試の段階で、基本7科目の対策をすべきです。
司法試験までは期間があり意識しづらいかもしれませんが、法科大学院合格の目標があるからこそ、勉強もはかどるのではないでしょうか?ここで、アドバンテージを取っておくと後が楽になると思います。
そこで、第一志望の法科大学院は、基本7科目を試験科目にしている法科大学院がベターと言えます。最低でも6科目が良いかと思います。
さきほどの、累計合格率上位15校の中で、6科目以上の試験科目を設けている法科大学院は以下のとおりです。
6科目以上の試験科目を設けている累計合格率上位15校の法科大学院
京大ロー
東大ロー
神大ロー
阪大ロー
早稲田ロー
慶應ロー
北大ロー
名古屋大ロー
東北大ロー
九大ロー
司法試験の合格可能性を自力で高めたいなら、ロー入試の段階で7科目の対策をするべきだと思います。
あくまでも私が今の受験生の立場に立ったとすれば、上記の10校から第一志望を選ぶと思います。
ロー入試対策②ステートメントはとりあえずドラフトを作ってみる
法科大学院入試の面倒な点として「ステートメント対策」があります。無視できない点ですが、面倒ですよね。
志望校が決まったら「ステートメント」のドラフトをさっさと作ってみましょう。早いうちに作っておくとステートメントのドラフトを作成してから、提出するまでに何回も推敲することができます。
面倒なものって、ついつい後に残しがちですが、(体裁は気にせず)とりあえずドラフトを作っておくと、後がかなり楽になります。どのように対策したら良いか分からず、なんか悩んでしまう…なんてことで時間が過ぎてしまうことはよくあること。サクッと対策講座を見ながらとりあえず作っておいて、後から形を整える方法をお勧めします。
また、書いたときには見えなかった視点や、気づかなかった誤字脱字も、時間を空ければ意外と気づくものです。より良いものを作るには、接触回数を増やして、様々な視点から考えを作り上げていくことが大切だと思います。
(また、元の文章があれば、いざという時にもどうにか作り上げやすいので、とりあえず取り掛かってみてください)
お勧めのステートメント対策は「アガルートのステートメント対策講座です。
ロー入試対策③予備校インプット講座を3回高速受講する
効率的な基本7科目を一通り学習するのであれば、予備校の利用はほぼ必須かと思います。法学部に在籍をしていても、すでに授業を受け終わっていたり、開校スケジュールの関係でロー入試に合わない可能性が高いでしょう。
そのため、いつでも学習したい範囲を学習できる予備校の講座が非常に便利です。
ただ「予備校のフルラインナップは高くて手が出ない…」と思いどうも手が出ない場合があるかもしれません。予備校のネックは受講料です。
そのため、インプット講座だけを受講してみてください。費用を抑えることができます。
おすすめの予備校の基礎講座を以下で整理します。
予備校の基礎講座一覧
予備校名 | 講座名 | 税込み |
アガルート | 総合講義300 | 291,060円 |
アガルート | 総合講義100 | 140,580円 |
スタディング | 予備試験合格コース(基礎) | 89,100円 |
加藤ゼミナール | 予備試験・司法試験入門講座 | 298,000円 |
上記の中でも、コスト面からは「アガルートの総合講義100」か「スタディングの予備試験合格コース(基礎)」がおすすめです。
最近の予備校事情にぼやいていたのが以下です。
さらに学習効率を高める受講方法
学習効率を高めるために作られている予備校の基礎講座ですが、さらに学習効率を高めていきましょう。
「7科目3周」を目標に高速受講してください。
受講方法の詳細は「総合講義100の評判と使い方-使い方次第でもっと合格に近づく」で詳述していますが、おおむね、以下のとおり受講してみてください。
インプット講座のお勧め受講方法
・法律7科目の全体像を把握することを目的
・全然わからない論点があっても、付箋で「わからない」と目印をつけて次に進み
・一週目はスピード感が大切です。動画の停止ボタンは押さない
・時には立ち止まって考える
・少し立ち止まりながら、前へ進む意識をもって取り組む
・スピード感よりも、内容の理解を重視して進める
・理解ができない場合には基本書を参照する
・スピードよりも内容の理解を重視する
ロー入試対策④隙間時間は論証集で有効活用する
基礎講座のおすすめは上記ですが、さらにプラスして、「論証集」を使うことをお勧めします。論証集は、予備校の弊害、金太郎飴答案、長すぎる、等批判もかなりされるところでありますが、司法試験対策上は、有用です。
さらに、アガルートの論証集講義は音声講義のDLが可能です。これが非常に使える。
一度、音声講義をダウンロードすれば司法試験本番までずっと使えます。隙間時間や寝る前に繰り返し聞き直すことで、覚えるべき論証が自然と暗記できるようになっています。
おすすめの勉強法は以下のとおりです。
論証集のおすすめの勉強法
・長文の論証を短くカスタマイズする練習をする
・記憶は想起することで強化されます
・論理をビジュアル化することで理解が深まり、想起も容易となる
値段もお手頃なので、論証集を有効活用してください!
予備校 | 講座名 | 税込み |
アガルート | 論証集の使い方講座 | 29,402円 |
ロー入試対策④過去問演習は出題趣旨を基に分析する
基礎講義の受講と論証集の受講が進んできら、ロー入試の過去問演習に進みましょう。
ロー入試の過去問は、各法科大学院のWEBサイト上に公開されています。
出題の趣旨を公開している法科大学院も多いです。出題趣旨を基に分析をしながら過去問演習を行いましょう!
徹底的に対策をしたいのであれば「アガルートの法科大学院入試過去問解析講座」がおすすめです。
ロー入試後からロー入学まで
法科大学院入試が終わってようやくスタート地点に立ったようなものです。在学中受験を目指すならもう2年もありません。1年半くらいでしょうか。時間が足りません。有意義に時間を過ごしましょう!
有意義に過ごすためのTo Doリスト
・ロースクールの情報収集
入学が決まったら、当該ロースクールの情報を徹底収集する。開講授業や教授、週の授業コマ数などをリサーチし、入学前に把握する。
・副次的目標の設定
司法試験の合格が主な目標であるが、副次的な目標を設定する。
例えば、将来の法曹キャリアや英語力の向上など、自身の志向に合わせた目標を設定する。
・勉強法の確定
ロースクール入学に伴い、勉強量が増えるため、効率的な勉強法を確立する。
情報の一元化や効率的な記憶法を身に付けることが重要。
・勉強計画の練成
司法試験への対策を含む勉強計画を立てる。
やらないことも明確に決定し、無駄な時間の浪費を避ける。
・選択科目の決定
選択科目を余裕のある時期に決定する。
自身の興味関心や受験戦略に基づき、選択科目を検討し、過去問を参考にして決定する。
ロー入学後
続いて、法科大学院に入学してから司法試験までの勉強法について解説したいと思います。
ローの授業は最大限活用する
法科大学院の講義はハイレベルです。予備校の講座を受講していても、講義は難しく感じるでしょう。
折角の高いレベルの学習機会を、ただ出席するだけはもったいないです!卒業してからはもう受講することができません(再度大学院に入る方法もありますが、時間もお金も膨大にかかります)。
人生で数年しか受講できない授業の前には、分からない点を事前に整理し、授業でマスターするくらいの気概で挑みたいところです。(昔からよく言われる、予習復習を大学でも実践していきましょう)
法学においてかなりの先輩である教授にどんどん質問をしてみよう
講義を聞いて疑問点が出てくれば授業後に質問にしに行きましょう。様々な生徒に教えてきた教授だからこそ、分かりやすく教えてくれます。また、分からないことについて、トコトン議論を展開してもかなり学習に役立つはずです。社会に出たら、優しい先生なんてなかなかおりません。
法科大学院在学中は、学習の機会に本当に恵まれているのです。
教授に質問がしづらいのであれば、友人でも良いと思います。分からなかったことは、そのままにせず、すぐ対処してください。
主体的に授業に取り組むロー生と、受け身のロー生で、実力がどんどん開いていきます。
司法試験の過去問演習をしておく
先ほども触れましたが、在学中に受験をする場合、法科大学院に入学してから司法試験受験まで1年3か月しかありません。
できるだけ早いタイミングで「司法試験の過去問演習」を行ってください。
土日は出来るだけ、司法試験の過去問演習に時間を使いましょう。
最低でも直近7年分×8科目=56問は本番まで取り組むべきです。
予備試験の受験は視野に入れなくてもOK
予備試験はガン無視でOKです。
もしあなたが、法学部1年生又は2年生であれば『予備試験ルート』も視野に入れておくべき可能性がありますが、法学部3年生以上の方は司法試験のことだけを考えてください。
法科大学院に入学したのであれば予備試験合格を目指す必要はありません。予備試験は無視して、在学中受験で一発合格することを考えてください。
答案添削指導を受ける
司法試験まで時間がありません。
自分の悪い癖は早いうちに直しておかなければ、後々後悔することになると思います。
ただ、自分の癖は自分ではなかなか気づきにくいでしょう。そのため、定期的に答案添削を受けてください。
予備校の答練でも良いですし、今どきは個別指導もあります。また、法科大学院で答案添削をしてくれることもあるでしょう。
答案添削のメリットは以下のとおりです。
答案添削のメリット
・論点や理解は、他の論点や法律と有機的に繋がっています。そのため、ある論点について誤ったまま理解すると、他の分野にも波及し、誤った内容を深めてしまうことになります。
・司法試験に合格した第三者より間違いを正してもらう機会を設けることで、自身の誤った理解を正すことができます。
・人間は、あるアクションに対して外部からのフィードバックが得られるだけでモチベーションが上がることがあるようです。モチベーションを上げる、良いきっかけ作りになるかと思います。
・復習は回数やタイミングが重要とされており、1回よりも2回、2回よりも3回と、見返す回数は多いほど記憶の定着は進むと言われています。
・「答案作成→答案提出→答案返却…」と繰り返すため、自然に時間を空けて復習することができます。意識せずとも間隔学習に繋がり、学習の効率を高めることができるでしょう。
答案添削を受けることのメリットの詳細は「答案添削こそ最強の勉強法!?活用法を徹底解説」で解説しています。
一度、司法試験合格者に自分の答案を添削してもらってみてください。答案添削サービスは色々あるかと思いますが、どのサービスも良い気づきを得ることができるかと思います。
基礎問題を繰り返し演習する
基礎問題を解法を覚えてしまうくらい、やりこんでください。
アガルートであれば「重要問題習得講座」を、アガルートでなくても「重要問題習得講座」に相当する講座はあります。ある程度の論点の網羅性があれば、市販の演習書でも良いでしょう。
その1冊をやりこめば、大切な基礎基本を学ぶことができます。
基礎問題の使い方は以下のとおりです。
基礎問題の使い方
・事例を基に論点抽出のトレーニングを行う
・論点の抽出が終わったら、解説を見て、論点を抽出できているかを確認する
・ガンガン答案構成を作成する
・徐々に詳細な答案作成を行う
・何も見ずに起案する
・1つの事例に対して、相応の時間をかける
(アガルートの重要問題習得講座の使い方と評判【上位合格者解説】)
司法試験対策 開始前
司法試験対策を始めるにやっておくべきTo Doリスト
合格者や、複数回受験者のブログで勉強方法を研究
すでに自分に適した勉強法を理解している方は、読み飛ばして下さい。
まだ自分に適した勉強法を理解していない方は、合格者のブログや、複数回受験された方の勉強法を分析してみてください。複数回受験者の中には、不合格から合格に至るまでに、勉強法を抜本的に見直しているケースが少なくありません。
改善後の勉強法は非常に参考になります。
自分に合う勉強法を見つける
研究した中で、自身の学習に取り込むことができるものをどんどん取り込んでみましょう。私も勉強時には合格者のブログを参考にさせて頂きました。
ここで注意点があるのですが、合格者の勉強方法をそのまま自身に流用することはやめておきましょう。人それぞれ得意不得意があるからです。
これをやれば必ず合格出来るという勉強法は存在しません。「合格者がやってるからやる」という思考になると危険です。当該勉強法の趣旨・目的など自ら考察して、どのように自身の勉強へ流用できるかを、検討する必要があります。
自信もそのまま自分には流用せず、今ある勉強法に組み込むようにし、不足している部分を補うようにし、活用していきました。
もっとも、合格者の多くは、効率的な勉強法を採用しているケースが多く、非常に参考になることが多いのも事実です。各人自分に合った勉強法があるはずです。
暗記が得意か否か、文章力があるか否か、事案分析力があるか否かなど、各人の能力に応じて勉強法をカスタマイズする必要があります。合格者の勉強法をそのままトレースするだけではいけません。
【科学的に正しい勉強法を知りたいなら、この本がおすすめ】
司法試験対策 開始後
司法試験の勉強法総論
以下は、私が取り入れていた勉強法の一例です。ご自身の勉強法を確率するために、参考にしてみてください。効率的な勉強法を極めたい方は、こちらの記事をご確認ください。勉強法に関する書籍10冊を紹介しています。
1日を司法試験の勉強のためにカスタマイズする
1日を司法試験の勉強のためにカスタマイズして下さい。全ては、司法試験の合格のためです。とは言っても、ずっと勉強することはできないので、ガス抜きの時間もあらかじめ設定して下さい。必要最低限の合理的なサボりを取り入れる。これも司法試験の勉強のためのカスタマイズです。
寝る前は、暗記の時間
寝る前は、スマホをいじりがちですが、出来れば暗記の時間に当てましょう。寝る前のスマホいじりが、睡眠の質を下げることは明らかなことです。
司法試験の合格のためにも、寝る前は暗記の時間に当ててください。寝る前に暗記の時間を確保することが、記憶を促すことは多言を要しないところですね。
正直、一切見ないのは難しく,悪しき習慣を断つことはそう簡単ではありません。それでも,私の場合、寝る前の1時間前に入浴をして、それ以降はスマホを触らないように心がけていました。
前日に明日の勉強内容を決める
前日に明日の勉強内容を決めましょう。勉強を開始する際に、何を勉強するのか迷うことがありますが,時間がもったいないです。
その日、何を勉強するかは前日に決めておくべきです。
例えば,私の場合,曜日ごとに勉強する科目を決めていました。
このようにすべきことが自動的に決まってくると、勉強の効率性はグンと上がります。
よく言われることですが、翌日の服装や朝食も寝る前に決めておくと良いと思います。朝起きてスムーズに勉強に移行できるような状況を自分で作り出せるとベストです。
明日が司法試験と想像してみる
「やることが多すぎて何を勉強したらいいのかわからない」。これは、ある程度勉強が進んでくると生じる現象だと思います。
私も何を勉強すべきか悩むことがありました。自分なりに考えた解決策が、明日が司法試験と想像してみることです。明日が司法試験だと想像すると、誰しもが不安を感じると思います。その際に、この不安の内容を特定して下さい。何が不安なのか。ノータッチの分野があるから不安なのか、憲法の答案の書き方がわからなくて不安なのか、途中答案になりそうで不安なのか。その不安の内容を言語化しましょう。
基本書の読み方
まず、いきなり通読しようと思わないことが大切です。基本書をいきなり通読することは、マップを持たず航海に出るようなことです。まずは、基本書を読む目的を明確にするべきです。
基本書を読む目的としては、例えば、①基礎知識を網羅的に習得する、②分からない論点を理解する、③科目の総復習、などが考えられます。
仮に①が、基本書を読む目的ならば、選書の段階から、やり直す必要があるかもしれません。私の経験則上、基礎知識を網羅的に習得したいのであれば、基本書よりも入門書や教科書に分類される書籍の方が適当だと思います。基本書は、難解な言葉が使われていたり、専門的で理解が困難なことがあります。まずは、入門書や教科書を使ってインプットすると良いと思います。①の段階を越えてから、基本書を読むと良いと思います。
次に、基本書を読む目的が②にある場合。この目的が、個人的には、正しい基本書の使い方のように思います。基本書は、分からない論点を理解するために読むべきであり、新しい論点をインプットするための教材ではありません。
今一度、基本書を読む目的を明確にしてみましょう。
予備校を活用する
最小の努力で、結果を出したいのであれば、予備校の利用は必要となってくると思います。司法試験の合格者であれば、共感して頂ける方が多いかと思いますが、大体の方は、無駄な勉強をしてる期間があります。私も、勉強法がよくわからず、謎に写経したり、よく分からず、地裁の判決を全文読んだりしている時期がありました。はっきり言って無駄な勉強をしていました。
このように、司法試験の勉強を始めると、気づかないうちに、無駄な勉強をしてる場合があります。私の場合、幸い途中で予備校を利用することになったので、比較的無駄な勉強をしてる期間が短かったと思います。もし、あのまま独学で勉強を続けていたら、まだ受験生をしていたかもしれません。無駄な勉強を極力省くためには、司法試験対策のプロである予備校を利用するのが早道です。
予備校を選ぶ際には、合格実績で選ぶのが良いと思います。予備校を利用する目的は、司法試験に合格することですから、まずは、合格実績の多いところを選ぶと良いでしょう。司法試験の予備校の選び方やおすすめの予備校を知りたい方は、こちらの記事を参照ください。人気予備校5社を比較して、おすすめの予備校を提案しています。
私は、答練は、伊藤塾を利用し、インプットとアウトプットは、アガルートの講座を受講していました。
個人的には、アガルートが超絶おすすめです。
(【2024】司法試験予備校の選び方とおすすめ予備校ランキング【厳選6社】)
インプットとアウトプットのバランス
インプットとアウトプットのバランスを考えましょう。
暗記の仕方
まずは、記憶のメカニズムを知る。記憶は、記憶したことを思い出す(想起する)ことで、強化されるという性質があります。
そのため、時折、昨日やったことや、一週間前にやったことを思い出すようにしましょう。
おすすめは、消灯後布団の中で、その日に勉強したことを思い出すことです。その日やったことでも、思い出せない事があります。そして、思い出せないことがあれば、スマホを使って音声メモとして、わからない点を記録していました。翌日に調べて確認するようにしていました。
また、想起の機会を確保するために、予備校の答練を受講するのもありでしょう。私は、予備試験、司法試験のいずれでも、予備校の答練を受講していました。起案する機会を強制的に確保することにもなりますし、想起の機会にもなり、記憶の定直化に繋がります。お金に余裕があるのであれば、投資しても良いでしょう。
勉強の効率化には「負荷」と「休息」が必要
また、勉強の効率化には「負荷」と「休息」が必要です。
短答式試験と論文式試験
短答式試験の対策要点は以下のとおりです。
(上位合格者によるアガルートの短答知識完成講座のレビューと使い方)
おすすめの短答対策講座はアガルートの短答知識完成講座です。
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司法試験直前期
過ごし方と勉強時間
起案上の注意点
以下は、司法試験本番直前に作成したチェックリストです。
自分だけの直前のチェックリストです。司法試験の本番は、休憩時間にこれだけ読んでいました。
あくまでも私の起案時の方針を記したものであり、妥当性や正確性を保証するものではありません。
司法試験直前期の方は、自分が見落としがちな論点やケアレスミスのパターンを分析して、試験直前に見直せるリストを作成してみると良いかと思います。
全般
①タイマーの押し忘れに注意。試験前にタイマーを机の中央に置いておくこと。もし押し忘れたとしても、腕時計があるから大丈夫
②答案構成は最大50分。これが上限時間。答案の枚数は、5枚程度。6枚目に突入できるとベストだが、5枚目に突入すれば十分。大切なことは、検討の順序とその内容である。質にこだわりすぎるべきでない。
③構成は、主に4色ボールペンと五色のマーカーを使う。マーカーは、基本的に設問ごとに色分けをする。その中で、法的評価が異なるものには、①②等の番号を振る
④わからない場合には、趣旨目的や利益衡量や一般条項等から、一応の理由を示し、それっぽい規範を定立したら良い。価値判断になってしまってもいいから、事案の特殊性を指摘しならが、一応の結論を示せればよい。事案の特殊性を無視するのは、最悪。
⑤答案構成が終わったら、厚く書くべきところに、星マークを記す。メリハリを意識。欲張らない。
⑥慌てることなく、落ち着いて論述すること。
起案上の注意点 憲法
①直前に、違憲審査基準論の書き方を確認すること
②「反論を踏まえて」と設問で明示されているなら、必ず反論を明示するべきである。その上で、その当否を論じて、私見を述べるべきである。
③H21ヒアリング「『考える力』が現れている部分に高い評価を与えるように、いわばメリハリをつけて評価するように努めている」
④H30採点実感「主張、反論、私見という構成をとる答案も一定程度見られたが、本門における問われ方に即していない。」「期待されているのは、法律家としての自らの見解を十分に展開する中で、必要に応じて、自らの見解と異なる立場に触れる形で、論述することである」
⑤H30採点実感「権利の性質や制限の態様を踏まえて違憲審査基準を定立し、当てはめるという基本的な判断枠組み自体はほとんどの答案に示されていた」
⑥H30採点実感「目的の審査が極めて雑なもの、手段審査がその違憲審査基準に沿っていないものが見られた」「逆に、目的や手段の審査において、自分なりに理由を示して、実質のある十分な検討を行なっているものは全体としても高く評価できた。」
⑦H30採点実感「『参考とすべき判例…を踏まえて』論じるように求めているにも関わらず、全く判例に言及しない答案が少なからず見られた」
起案上の注意点 行政法
<総論>
①時間切れになりやすい科目。
②行政法は、会議録の誘導に乗っかることが何よりも大事。誘導に乗れるだけで、点数を稼ぐことができる。 誘導には、赤色マーカーで強調。
③誘導に乗れるように、1⃣答案構成の骨組み、2⃣肉付けに二段階に分けて、答案構成を作成する。まず、簡単に大枠を作り、2⃣の段階では、問題文でチェックするたびに、答案構成に反映していく。これをすることで、チェックしたこと、気づいたことを漏らさずに、答案に反映することができる。
④問題文の事情をそのまま答案構成に移すのは時間ロス。記号や略語を使う。例えば、事実中の事情なら、事実①とか。会議録中の事情なら会話②とか。法令中の事実なら、法令名プラス数字という感じ。これで時間を節約できる。
⑤まず、配点をチェックする。その次に、設問をチェックする。そのあと、参照法令の内容と数をチェックする。これで大体の内容がわかる。
⑥会話録中で、欠くべき課題が指定されていることが多い。その指定に従うこと。もっとも、解答は、設問の問いに答える形にすること。例えば、H25採点実感では、適法論と違法論として考えられる物を示して答えなさいという条件があったが、これらを並列するだけで、「本件認可は適法か」に答えていない答案が批判されていた。
⑦原告適格の問題なら、誰の原告適格なのか、対象となる行政処分はなんなのか、被告は誰なのかを特定すること。答案に反映する必要はないが、事案を勘違いしないためにも重要なこと
⑧H23採点実感「法令と通達の違いを考慮せずに、通達について当然に関係法令に該当すると論じる答案が目立った」
⑨H21採点実感 原告適格について「個々の結論よりも、結論に至る過程でどれだけ説得力のある論述をしているかを重視した」→説得力を持たせるには、結論を導く上で不利な事情も評価するべき。
⑩設問「どのような主張を行うと考えられるか。また、この主張は認められるか。B市が行う反論を踏まえて、検討しなさい。→『原告の主張』と、『B市の主張』の主張で項目立てした上で、最後に私見を述べることが望ましい。「反論踏まえて」とあるなら、必ず反論の内容を明示すべきである。
⑪「適法とする法律論及び違法とする法律論として考えられるものを示して答えなさい」→「適法とする法律論」と「違法とする法律論」で項目立てして、最後に「私見を述べる」
⑫時間がないなら、「適法とする法律論」と「違法とする法律論と私見」の項目立てで検討してもいい。
⑬H25採点実感「全体として「本件認可は適法か」と問われているにも関わらず、単に「適法とする法律論」と「違法とする法律論」を併記しただけで、自らの見解を示さない答案がかなり多く見られた」
⑭H21採点実感「条文を条・項・号まで的確にあげているか、すなわち法文を踏まえているか否かも、評価に当たって考慮した。
⑮H21採点実感 条例について「法律に基づいて制定された条例なのか、地方公共団体が自主的に制定した条例なのかの区別や、その性質の違いを意識した答案は少数であった」
⑯H21採点実感「問題文中の情報を切り貼りするだけの答案では、回答したことにならない。」
⑰通達とか内部基準とかが複数ある場合、「通達1(基準1)、通達2(基準2)とかで略すべきである。
⑱H30採点実感「例えば、『専門性』とだけしか述べない答案が少なくない。教育や科学技術など一定の分野に関する専門家・専門組織の判断の村長なのか、政治的判断・公益的見地からの判断の尊重なのか、全国一律で基準を定めるべきでなく地域の特性や地域住民の意見を斟酌すべきゆえに認められる裁量なのかなど、事案の特性を踏まえてもう少し適切な理由づけを考えてほしい」
⑲H29採点実感「要件裁量及び効果裁量については、多くの答案が論じていたが、両者の区別を十分に意識しない答案が少なからず見られた」
起案上の注意点 民法
民法は、特に用意していませんでした。
起案上の注意点 商法
①時間切れになりやすい科目。作成前にメリハリを考えること
②429条責任において、複数の役員等の責任が問われた場合、前提となる解釈(責任の性質論など)及び要件(第三者性、損害など)は、先に簡潔に認定してから、各人の認定に入る。又、任務懈怠の内容が共通する場合には、まとめて認定すること。どうしても、時間が足りなくなる可能性が高いから、コンパクトに論じる工夫をすること。
③特別利害関係株主及び取締役について気づかないことが多い。決議が行われた場合には、必ずこの点を疑うこと。
④条文の条数、項数及び号数まで引用すること。文言は、逐一引用する必要はない。重要論点とか、訴訟要件とかなら引用する。
起案上の注意点 民事訴訟法
①定義は必ず示す
②教科書知識の重要性
③形式的理由と実質的理由・必要性と許容性。当てはめは多角的視点から行う。一つの観点から深掘りするよりも、多数の視点観点から当てはめをする方が点数が伸びる。
起案上の注意点 刑法
①刑法(特に各論)の採点項目は細かい。構成要件・結論ごとに大小はあるものの、配点されているものと考えよ。
②不可罰となる行為であっても、検討するべき。例えば、窃盗後の盗品の処分行為とか。
③事案分析の際には、主体、行為、客体及び結果を特定する。こうすることで、論点落ちを防ぐことができる。論点を拾うことも大事だが、構成要件を拾うことも大事
④ロースクール期末試験では、財産犯における客体の認定及び罪数認定落ちで点数が伸びなかった。構成要件を一つずつ認定することと、たとえ併合罪となる場合であっても、一言理由をつけて罪数の認定をすること
⑤財産犯では、既遂未遂の判断方法の論証及び、既遂時期の認定を落としがち。
⑥〇〇罪の成否という項目名に対する、解答が示されているか。つまり、当該犯罪の成否を忘れずに認定されているか。
⑦一つの行為に、複数の犯罪が成立する可能性があることを意識すること
⑧保護法益を意識すること
⑨H30採点実感「小問形式であると誤って捉えてそれぞれの立場からの理論構成を論じただけで完結してしまい、最終的に自説としていかなる結論を採るのか論じられていない答案が散見された」
⑩事案設定を勘違いしないこと、H30の試験では、設問3は「事例2の6から9までの事実が以下の10及び11の事実であったとする」という事案の設定がされていた。気をつけるべき。
起案上の注意点 刑事訴訟法
①時間配分に気をつけること。メリハリのある論述
②多角的な視点から当てはめをするべき。複数の事実から、複数の評価を導き、その複数の評価を総合考慮して、中間評価を導く。最後に、規範の文言に合わせる形で、最終評価を加える。
③条文の引用を忘れないこと
④当てはめが得点源である。
⑤「『逮捕①』の適法性について論じなさい」という設問。→まずは、逮捕の要件充足性を認定する。そのあとに、論点(再逮捕の適法性、別件逮捕勾留など)を論じる。いきなり、論点に飛びつかない。
⑥「『逮捕①』及びこれに引き続く身体拘束の適法性を論じなさい」の設問も一緒。まずは、逮捕の要件と勾留の要件を充足していることを認定すること。ただ、簡潔に要件認定をすればよい。特に、勾留の理由は、207条の指摘が必要だから注意。
⑦捜索の要件を網羅的に検討できているか。被疑者以外の住居を捜索する場合には特に注意。
⑧伝聞法則の適用に当たって、まず当該書面の供述者を特定する。また、その供述の中に、他人の供述が含まれていないか検討する。見落としやすい。
⑨伝聞証拠該当性について、当該書面の性質が、部分ごとに違う場合、その部分ごとに分けて検討する。つまり、書面の一部のみが伝聞証拠という結論もありうる。
⑩検察官が設定した立証趣旨では無意味となる場合には、立証趣旨には拘束されない。実質的な要証事実を認定する必要がある。
⑪立証趣旨「殺人及び死体遺棄の犯行状況等」→それぞれの被疑事実との関係で、要証事実を捉える必要がある。(平成23年採点実感)
生活編
睡眠時間は削らない
睡眠の時間が惜しいと感じても、睡眠の時間を削るのはよくありません。期末試験などの短期決戦では、睡眠の時間を削ってインプットしたりするのもありですが、司法試験のような長期決戦型の試験では、無意味です。
時間が足りないと感じても、睡眠時間を削って捻出してはいけません。24時間から睡眠時間を除いた時間内で、工夫して勉強時間を捻出して下さい。
食事は多少削っても大丈夫
個人的に食事は削っても大丈夫だと思います。1日中断食するのは問題あるかなと思いますが、1日2食ないし1食にするのはありだと思います。食事は時間がとられますし、集中を遮断することにもなります。
私の場合、朝食に、プロテインを飲んで、昼食を抜いて、夕食はがっつり食べていました。 最初は、我慢できずに昼食を取ってしまうこともありましたが、慣れると全然平気になります。間食として、ナッツ類を食べるようにし、1日三杯くらいは、コーヒーを飲むようにしていました。
昼食を抜くだけで、勉強時間は増えますし、より集中して勉強できるようになったと感じています。ググってみると分かりますが、1日1食は、健康上そこまで問題ありません。
ちなみに、司法試験の当日は、軽く昼食を取っていました。かなりエネルギーを使いますし、司法試験の時は、休憩の時にしっかりリフレッシュした方が良いと考えたからです。
【健康的な食事法を学びたいなら、この本がおすすめ】
メンタルケアの勉強をする
メンタルケアの知識はある程度持っていくと良いと思います。特に不安症の傾向があることを自覚している人は必ず。
私の感覚では、年明けからじわじわと緊張感が高まってき、それに応じてメンタル状態も悪化していきます。直前にメンタル状況が悪化することを想定して、メンタルケアの勉強をしておくと良いでしょう。
効果的なストレス発散法を知りたいなら、この本がおすすめ
おすすめ勉強小道具
ぺんてる ゲルインキボールペン エナージェルユーロ0.7mm黒
起案用のペンは、ペンテルのゲルインキボールペンエナージェルがおすすめです。滑らかな書き心地で、インクの乾きも早いため、速記に最適のボールペンです。司法試験の受験生の多くが利用しているペンだと思います。
個人的には、万年筆も検討しましたが、インク漏れの可能性がありますし、値段も高く、慣れるのにも時間がかかります。起案用のペンは、ペンテルのエナージェルで本当に良いと思ってます。サイズは、好みだと思いますが、私は、0.7を使用していました。
ドリテック試験用タイマー
こちらは、試験用に作り出されたタイマーです。コンパクトサイズで、無音モードに直感的な操作感を備えた優れものです。試験用タイマーをお探しの方には、超おすすめしたい商品です。私の場合、このドリテックの試験用タイマーと、予備用の腕時計の二つを机上に置いて受験しました。
デジタル表記で残り時間が秒単位で分かるタイマーがあるかどうかで、試験の残り時間の使い方も変わってきます。少しでも有利な環境で受験するためにも、このドリテックの試験用タイマーを使用して頂きたいと思います。
ノック式蛍光ペン
そもそも蛍光ペンを試験に使うかは、意見が分かれるところだと思いますが、私は、蛍光ペンを使う派でした。視覚的処理が可能になりますので、蛍光ペンで色分けして、マーカーを使うのは有効だと思い、使用していました。
ただ、蛍光ペンを使うデメリットが、マーカーを持ち替えたり、蓋を開けたり閉めたりするのに、時間が惜しくなるという点です。そこで、私は、極力時間の消費を避けるためには、ノック式の蛍光ペンを使用していました。
Nose Mint(ノーズミント)
これは、愛用者爆増中の『感じるミント』です。キャップを外すと、ミントの香りを楽しむことが出来ます。ミントの香りは、リフレッシュ効果があり、集中力を高めます。また、勉強による疲労や、眠気を改善する効果も認められています。私も、ノーズミントを愛用していまして、勉強の休憩時間にミントの香りでリフレッシュしていました。マスクに垂らして使うのもおすすめですよ。
SONY ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン WH-XB900N
こちらは、高額商品なので強くおすすめは出来ませんが、2019年で最も成功した買物だと思っています。とにかく、ノイズキャンセリング機能が半端ないです。周りの音に敏感で、集中できないという方には、是非、試してもらいたいです。
気になる方は、チェックしてみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。もっと共有したいことがあるので、随時更新するつもりです。
予備校選びに悩んでいる方は以下の記事をご覧ください。
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