
こんにちは、ロッポ―です
今日のテーマは「判例の勉強法」です
「予備試験」において、「判例」は条文と並んで、極めて重要な学習素材です。
単に「結論」や「キーワード」を押さえるだけでは不十分であり、出題者が問題を通して見ようとしているのは「その判例をどう理解しているか?」や「それを使ってどう問題を解決しようとするか?」という「受験生のリーガルマインド」です。
出題の趣旨には「判例の立場に立って検討すべき」や「判例の内容を理解した上で論述せよ」などの表現が頻繁に見られます。これは皆さんの「判例の理解」を試していることの明確な表れです。
そこで本記事では、「予備試験」に合格するために必要な「判例学習の方法」を、「出題の趣旨を意識したアプローチ」に基づいて、9つの実践的ステップと工夫として体系的に解説していきます。



ぼくも、最初は“結論だけ覚えればいい”って思ってたんだ
でも、ある日、答案練習で全然点が取れなくて…そのとき“どう使うか?”という視点が欠けてたって気づいたよ!
予備試験対策としての判例勉強法「8つの実践ステップ」
予備試験対策としての判例勉強法を「8つの実践ステップ」に分けて、解説していきます。
ステップ1:「判決の事案」を読み飛ばさない
判例学習の第一歩は「事案の把握」です。
- どのような事実関係が背景にあったのか?
- なぜ法的紛争に至ったのか?
- 原審はどのような判断をしたのか?
これらを明確にしながら読む姿勢が必要です。
特に、事実関係については、「誰が」「何を」「いつ」「どうしたのか」など、登場人物と各登場人物の関係や時系列を図解すると理解が一気に深まります。
判例の勉強をしていると、どうしても、最高裁の評価に意識がいきがち。しかし、規範部分を理解するためには「そもそもどのような紛争だったのか?」という、「事案の概要」を把握することがマストなんだ。
出題の趣旨でも「具体的事実に即して論述することが求められる」とあるように、試験での答案作成にも直結する重要ポイントです。



事案の読み込みをって、ちょっとエネルギーいるよね
でも、丁寧に読んで登場人物の関係や時系列を整理しておくと、規範への理解が段違いなんだ!「判例の事案」とセットで「判旨」を理解する意識を持つと良いね!
ステップ2:「争点と規範」の抽出
判決文の中から「裁判所が判断を下す上で、必要だった法的論点(争点)」を特定しましょう。そのうえで、「どのような基準(規範)を立てたか?」を明確に把握します。また、次の点についても考えていきましょう。
- 判例が採った立場は、学説と比べてどうか?
- 規範の定立に、どんな意味があるのか?
出題の趣旨では、「法的枠組みに照らして説得的に論述する力」が求められており、これはまさに規範の把握とその応用力にほかなりません。



“どこで争ってたか?”をつかむのって、まさに地味だけど大事な作業
ぼくは判例を読んだら、まず“論点1行メモ”を作ってノートにまとめてたよ
ステップ3:「理由付け」を徹底的に理解する
「なぜその規範なのか?」「なぜその結論になるのか?」──
ここに焦点を当てて理由付けを読み解きましょう。視点としては、以下の点を考えていきましょう。
- 立法趣旨との整合性
- 社会的背景との関係
- 各当事者の利害状況
- 他の判例との整合性・発展性
- 結論の妥当性 等
「理由付け」を理解することで、単なる「結論の暗記」から脱却し「思考の再現性」を持った勉強が可能になります。論述力の土台となる「なぜ?」を自分の中に理解することが、「答案作成力」を引き上げます。



判例のロジックを自分の言葉で説明できるようになると、アウトプットの精度が一気に上がるよ
“なぜ?”って問いを習慣にすることが、判例を理解する最短ルートだと思うんだ
ステップ4:「射程と意義」を考える
理解した判例が、
- どんな場合に射程が及ぶのか(射程)
- 法体系にどのようなインパクトを与えるか(意義)
を検討しましょう。さらに、
- 同種事案における判決の影響
- 判例変更の可能性
といった、ダイナミックな「法解釈の現場」に思いを馳せることで、より高度な理解に繋がります。



ぼくは内向型で“深掘り”するのが好きだから、判例の“その先”を考えるのが得意だったかも
判例が社会に与える影響とか、ちょっと未来志向で考えるのも面白いよ!
ステップ5:答案で使える「形」での整理
判例学習のゴールは「覚えること」ではなく、「使えるようにすること」です。
次のような方法で整理していきましょう。
- 「要旨・規範・事実のポイント・理由付け・結論」をセットで記憶
- 「キーワード」や「コアキーワード表現」を自分の言葉で再整理
- 自作の判例ノートやテキストを活用し「体系的に管理」
- 「どのような事案で使えるのか?」も検討・整理
「答案練習」とセットで運用することで、「知識」から「スキル」へと昇華していきます。



ぼくは、総合講義テキストにコツコツ整理していたよ
「整理→記憶→答案」での活用、この循環ができると知識が「財産」になるんだ


ステップ6:「多角的な視点」の導入
判例の読解では「裁判所の立場」だけでなく、
- 当事者(原告・被告)の主張
- 反対意見・補足意見
- 学説
など、複数の視点から検討すると、理解が深まる。多角的に見る力は、答案で「対立する立場を踏まえた上での説得的な自己主張」を展開する力にも繋がります。



判例以外の立場から分析するのって、超ハードワーク…
しかし、最近の司法試験では、判例の理解に留まらず、逆の立場からの論述が求められることもあるんだ
様々な立場から、分析すると解像度も上がると思うよ!
ステップ7:「法的三段論法」の感覚を鍛える
出題の趣旨で繰り返されるのが「規範の定立と規範の適用能力の確認」です。つまり、
- 法的問題の提示
- 規範の明確化
- 事実に即した当てはめと結論
という「三段論法的構成」に則って「思考・記述できるかどうか?」が試されています。
判例を読みながらこのプロセスを意識し、手を動かして「参考答案」を作ってみるのも有効です。



A4の紙に「問題提起→規範→あてはめ→結論」の順で判例を整理してみると、自然と「法的三段論法」の流れになるよ!
ステップ8:「定着と復習」そして「演習」への応用
理解した判例は「整理」と「定着」が不可欠です。
次の流れを繰り返すことで「どんな問題にも対応できる“知的引き出し”」が構築されていきます。
- 判例ごとの要点をまとめる
- 定期的に要旨を読み返す
- 過去問や演習問題でアウトプットする



復習って地味だけど、リターンが大きいんだよね
”学力は寝かせて育てる”のが伸ばすコツ!
ぼくは1週間後・1か月後・3か月後に見返すようにしていたよ
日々の学習で意識したい「3つの工夫」
普段、判例を勉強法する中で、次の3点を「日々の学習」で意識してみてください。
- 理解を自分の言葉で言語化
判例を学習し、理解が深まったら、自分の言葉で判例の意義を整理してみよう。自分の言葉で言語化することで、はじめて、「自分のものになる」んだ。マーカーを引いて終わりではなく、テキストの余白等に言語化してみよう。 - 判例の事案とセットで規範を理解する
規範を理解するためには、その前提となる「判例の事案」としっかり把握する必要があります。判例の事案とセットで規範を理解する意識を持つようにしましょう。 - 小さな復習サイクルの構築
1日5分でも構わないので、毎日1つは判例の要点を見返す習慣を作ると記憶の定着が飛躍的に向上します。



8つのステップを紹介したけど、少し多すぎたかな?
普段の勉強では、上記の3つを意識するだけで、大きな違いだと思うよ!
注意点:「暗記偏重」からの脱却を
「判例学習」でやってはいけないのは、「結論とキーワードだけを丸暗記」する勉強法です。
判例の本質は、「なぜそう判断されたのか」という論理にあります。そして、その論理を理解するためには、「判例の事案」としっかり読み込む必要があるでしょう。
「自分ならどう考えるか?」「他の立場ならどうか?」という視点を忘れず、思考型の学習姿勢を貫きましょう。



“覚える”より、“わかる”を優先しよう!
ぼくも最初は、キーワードばっかりノートに書いてたけど、思考が伴ってないと答案で使えなかったんだ…理解に時間をかけるのは、ムダじゃないよ!



あと、繰り返しになっちゃうけど「判例の事案」!
これをきっちり把握するようにしてね
めんどくさいけど、事案の図解を最初に作っておくと、後から復習する際にすごい役に立つよ!
おわりに:判例学習を“受験対策”から“法的素養トレーニング”へ
「判例学習」は「合格するためのツール」であると同時に、「法律家としての思考基盤を築くトレーニング」でもあります。実務家のリサーチは、裁判例が多いと思います。実際の仕事も生の事件です。判例は、実務家の仕事を追体験できるようなものです。
だからこそ、予備試験でも、判例の理解がしつこく問われているんだよね。
日々、判例を学習することは、合格後も続く「考える法曹」としての土台となるでしょう。



ぼくも“判例って難しそう…”ってずっと避けてた…でも、ひとつひとつ丁寧に向き合っていくうちに、だんだん楽しくなってきたんだ
そして「司法試験受験生時代に学習した判例」は、実務になってからも、よく登場するよ!
法律相談の際に「〇〇と判断した判例がありまして、この判例の事案では~」とか「この判例は司法試験受験生が勉強するくらい重要な判例でして~」みたいな説明が、弁護士からなされることも珍しくないよ
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