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上位合格者がアガルートの倒産法総合講義を徹底レビュー〜オススメな点とイマイチな点〜

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シホウ
このサイトの監修者情報
「最小限の独力で最大の成果」を理念に司法試験、予備試験に合格するための勉強法を研究し、予備試験に合格(論文300番台、口述2桁)。翌年1発で司法試験に合格(総合順位100番台)。司法試験、予備試験に合格するためのノウハウを発信する。アガルートと登山が好き。

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今回は、アガルートアカデミーの倒産法インプット講座である『倒産法総合講義』のレビュー記事となります。本講座の「オススメな点とイマイチな点」「『倒産法総合講義』の使い方」を解説していきます。私は、令和元年司法試験に論文総合100位台で合格した後に、実務上の重要性に鑑みて、倒産法総合講義を受講しました。そこで、司法試験上位合格した経験を基に、レビューしていきます。

結論から言いますと、

司法試験の受験生のみならず、司法修習生から新人弁護士まで広く倒産法を学びたい方におすすめであります。が、イマイチな点も…。

本記事を読めば、以下を知ることができます。

・アガルート倒産法総合講義の「オススメな点」
・アガルート倒産法総合講義の「イマイチな点」
・アガルート倒産法総合講義の「使い方」

これから、倒産法の勉強を開始しようと考えている方、アガルートの倒産法総合講義の受講を検討されている方にとって有益な情報となれば幸いです。

それでは、早速アガルートの倒産法総合講義を解説していきましょう。

▼私の人生を変えた3講座▼

目次

アガルート倒産法総合講義の概要

アガルート倒産法総合講義とは

司法試験倒産法で問われる知識を網羅的にインプットする講座です。

講座のコンセプト

アガルートの公式サイトには、以下のような記載があります。

本講座は,約20時間で司法試験倒産法で問われる知識を網羅的にインプットする講座です。
倒産法では,選択科目の中でも,判例百選掲載の判例から出題されることが多い試験科目です。そこで,オリジナルテキストは,判例百選に沿った構成にし,網羅的に判例を検討していきます。また,重要論点については,予想される出題形式とその対応策について適宜指摘していったり,過去問でどう問われており,どう答えるべきであるか等,実戦的な講義を展開していきます。

本講座のコンセプトは、以下のことにあると考えられます。

①判例百選掲載の判例を網羅的に検討し
②過去問分析に基づき効果的なインプット講義を提供する

正に司法試験受験生のための倒産法インプット講座と言えます。

講師はどんな人?

講師は、「谷山政司」講師です。関西で人気の講師の方で、特に、個別指導で定評のある先生です。

谷山先生の経歴は以下の通り

2003年

中央大学法学部法律学科卒

2010年

中央大学法科大学院既修者コース修了

2011年

(新)司法試験合格

2014年まで

伊藤塾にて予備試験ゼミ・司法試験ゼミ(倒産法)・特進ゼミ等を担当

2015年

司法修習修了(68期)

同年12月

弁護士登録、法律事務所ASCOPE所属

2016年

アガルート参画 個別指導事業立ち上げ

2017年

現在の「予備試験1年合格カリキュラム マネージメントオプション」の前身となる個別指導受講生から,予備試験1年合格者輩出

総講義時間数は?

公式サイトで、講義時間は約20時間とされています。正直20時間は、結構長いなと思っていたのですが、購入した講座の講義時間を計算してみたところ、実際は約16時間でした。講義の取り直しによって、講義時間が圧縮されたためと考えられますが、この点は、修正していただきたい点ですね。ただし、受験生にとって、講義時間が短いことは、歓迎すべきことでしょう。少ない時間で、講義の内容を習得ができると捉えることができるからです。

また、チャプター数は、26個あり、1個当たりの平均講義時間は「約37分」ということになります。

仮に、一日2時間受講すると「8日間」で講座の受講を終える計算になります。

非常にコンパクトにまとめ上げられた講座と言えます。

短期間で倒産法の知識を網羅できる講座をお探しの人には、候補に入れるべき講座だと思います

テキストはどんなもん?

講座のテキストはどんな感じか

インプット講座のテキストは、司法試験の受験が終えるまで使用し続けることになる大事なツールの一つです。どんな講座であれ、受講を決める前にかならずテキストを確認しましょう。逆に講義テキストのサンプルが載っていない講座は、避けるべきだと個人的に思います。それくらいインプット講座のテキストは、大切です。

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さて、倒産法総合講義のテキストですが、こちらは、アガルートのオリジナルテキストとなっています。

外観

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外観はこんな感じです。

目次

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目次はこのような感じです。分かりやすいスタンダードな目次を採用されています。

司法試験受験生に大変ありがたい資料「判例百選掲載一覧表」

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これが司法試験受験生には大変ありがたい資料ではないでしょうか。倒産法に限らず、「判例百選」は優先度の高い学習教材です。なんと、この判例百選一覧表では、谷山先生の講師経験及び出題頻度に基づいたランク付けがされており、該当ページの場所も明記してあるなど、学習向けの便宜が図られています。

百選を学習する中で、学習の時間をより多く確保するためにも、重要度に応じてメリハリよく、効率的に学習する必要があります。私自身、このような資料は大変有効なツールになりました。

随所に【解答のためのポイント】あり

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本テキストには、「解答のポイント」として、随所に論文式試験での「解答のポイント」が解説されています。倒産法に限らず、その他の必修科目にも応用可能なコツも解説されています。谷山先生の長年の講師経験に基づいた解答のポイントは、まさにノウハウが凝縮されており必見です。

最終章に司法試験「過去問」を使った演習問題あり

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インプット終了後、スムーズに過去問へ移行できるように、最終章では、司法試験の過去問を使った演習回が用意されています。本講義で習得した知識をどのように論文式試験の本番で使うのか、「模範解答」を基に学ぶことができ、試験本番で活かすことができるよう構成されていました。

選択科目としての倒産法の特徴

さて、ここでは【選択科目としての倒産法】の、司法試験倒産法の特徴について簡単に解説したいと思います。

司法試験の倒産法では、破産法と民事再生法から1問ずつ出題されます。破産法と民事再生法は、その目的が異なる法律ではありますが、建て付けは類似しており、破産法の学習が終えれば、民事再生法の勉強独自のテーマはさほど多くないです。その意味で、実質的には、破産法の勉強をしていけば、対応が可能だと考えられます。

また、民事実体法の理解が前提となるため、民事実体法、つまり民法の理解は不可欠です。そのため、この教科は、民法に苦手意識を持たれている受験生には、あまりおすすめできません。他方で、破産法は民事系科目が得意あるいは好きな受験生に、大変オススメな科目です。特に、民法との関連性は強く、倒産法の勉強をしながら、民法の復習になること間違いなしです。

また、選択科目としては人気の高い科目の一つですので、参考書等も探しやすく、勉強もしやすいのではないかと思います。

 民法が苦手意識がある方はこちらの記事もおすすめです。後でご覧ください。

実務としての選択科目

次に、【実務での選択科目】として、倒産法の実務上の重要性に関して、司法修習の1年間の経験を基に、解説したいと思います。

実務科目として、倒産法は非常に重要であると考えています。債務者側の相談は当然のこと、債権回収の案件でも、破産制度にも精通して置かなければなりません。また、取引先や顧客が破産した場合にどうすればよいのか、という相談もありました。

1年間の修習中には複数回破産法関連の相談に立ち会うことがありましたので、実務的にも非常に重要性の高い法律であると思います。

したがって、実務家になってからのことも見据えるのであれば、「倒産法」を選択するのは、合理的な選択だと思います。

倒産法総合講義のレビュー

テキストについて

〇オススメな点①「厳選掲載」

テキストに関しては、必修科目の総合講義よりも簡潔な作りにはなっているかと思います。他方で、掲載する知識や判例は厳選されているように思います。情報詰め込み型のテキストではなく、司法試験対策上有益な情報の掲載にとどめてあります。この点は、好みの問題だとは思いますが、「選択科目」の勉強に当てることができる時間からすれば、このようなテキストが望ましいと思います。

〇オススメな点②「解答のポイント」

解答のポイントの「判例の要約」は非常に分かりやすいです。特に、解答のポイントは、谷山先生が長年の講師経験に基づくノウハウを言語したものであり、非常に参考になります。読むだけで、解答の際のイメージが湧くかと思います。この点は、司法試験の受験生には、強くオススメできる点です

△イマイチな点「余白が少ない」

これも好みの問題だと思いますが、私は、テキストに書き込みをする派なので、余白が狭いのはちょっと使いづらいと感じました。標準的な作りだとは思いますが、必修科目の総合講義のテキストは、余白が広く取られていたので、若干使いづらかったですね。ただしこれは好みの問題ですので、余白の感じは、是非、本記事内の写真を参考にしていただければと思います。

講義について

〇オススメな点①「論文を意識したインプット」

解答のためのポイントに代表されるように、本講義は、とにかく司法試験の論文式試験で効率よく得点を稼げるように練られた講義となっています。司法試験の論文対策のためのインプットをしたいという方には非常におすすめな講義となっております。

〇オススメな点②「短時間で倒産法知識を網羅」

本講義では、「約20時間」で司法試験倒産法に必要な知識を網羅することができます。記憶の観点から、脳に定着させるには反復学習が効果的ですが、このような短時間の講義であれば2周、3周と学習を繰り返す方法に向いています。受験生であれば、1週間もあれば、この講義の1周が可能かと思います。そうすると、1ヶ月間だけでも4週が可能です。倒産法の知識を、効率良く定着させたい方にも、本講義はおすすめです。

△イマイチな点「とにかく早い」

オススメ点②の裏返しにはなりますが、講義の進行は早いです。人によっては、早くて 付いていくことができないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、動画での講義ですので、途中で止めながら、自分のページで受講するともできるのでそこまで心配する必要はないかと思います。

ただし、倒産法の講義は、民事系科目を一通り学習した方を想定して作られているため、法律の勉強を全くやっていない方は、難しいと感じるかと思います。そのため、本講義の前には、薄い入門書を一冊くらい読んでおくと良いかもしれません。

総合評価

倒産法総合講義の総合評価としては、司法試験受験生には「非常にオススメ」です。

倒産法のような選択科目は、本講義のように「短時間で習得が可能な講義」を選ぶべきだと思います。自身の勉強における可処分時間を有効に使うためにも、この点が大切だからです。

また、谷山先生の講義は、実務的な視点からの解説もあり、「イメージを持ちながら勉強しやすい」と思います。解説も論文対策を意識した実践的なものですので、必修科目の学習を終えた方が受講する講義としては、非常にオススメです。

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この記事を書いた人

「最小限の努力で最大の成果」を理念に司法試験、予備試験に合格するための勉強法を研究し、予備試験に合格(論文300台位、口述2桁)し、翌年1発で司法試験に合格(総合順位100番台)。司法試験、予備試験に合格するためのノウハウを発信する。アガルートと登山が好き。

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