司法試験対策の定番である答案添削。
答案添削を受けている受験生は多いと思いますが、なぜ答案添削を受けることが大切なのか理解していますか?
今回は、いかに答案添削が、効率の良い勉強法であるのかを解説したいと思います。答案添削の勉強法としての有効性を知れば、答案添削を受けるモチベーションのアップにも繋がると思いますので、すでに答案添削を受けている方にも有益な内容だと思います。
司法試験をデータから分析した結果についてこちらの記事で整理しています。「敵を知り、己を知る」です。この機会に分析検討してみてください。
答案添削のメリットとは?
答案添削をすると、第三者に答案を見てもらえるという利点があります。合格者の多くは、第三者に答案を見てもらう機会を確保しようと努めます。第三者にチェックしてもらうことの大事さに気付いているからでしょう。一方で、第三者に見てもらうことを極度に嫌がる人がいます。プライドの高い人が多いです。自分の書いた答案を批判されると、自己否定されたかのように思ってしまう方がいるのです。しかし、添削する側からすると、そんな意図はないのが通常であり、むしろ答案作成者のことを考えて指摘しているということが実情です。
自分の答案を見てもらうことに恥ずかしいと思っている方は、まずはその考え方を改めましょう。全く恥ずかしいことではありません。指摘される数が多いほど学びが多いはずですから、恐れ時に第三者に見てもらうようにしましょう。
さて、さきほど合格者の多くは、第三者にチェックしてもらうことの重要性を気付いていると言いました。第三者にチェックしてもらう重要性とは何でしょうか。
まず「バイアス」という観点から考えてみたいと思います。
誤った理解(バイアス)を正す
バイアスとは、何かしらの偏りがある場合に使われる言葉です。試験対策上は、誤った理解、記憶違いなどをバイアスと言えるでしょう。司法試験の出題範囲は広く、その分対策すべき事項も広範に渡ります。また、それぞれの論点や理解は、他の論点や法律と有機的に繋がっています。そのため、ある論点について誤ったまま理解すると、他の分野にも波及することになります。
したがって、司法試験の対策では、このバイアスを正す機会を設けることが大切です。この点、答案添削は打って付けです。司法試験に合格した第三者より間違いを正してもらう機会となります。
誤りを自分で正せる人はいいですが、一旦理解した考えを否定することはそう簡単なことではありません。そもそも法律の世界に明確な正解があるわけではなく、いろんな見解があって当然ですが、試験対策上は、正解ぽいものがあります。この正解ぽいものに乗っかることも時には大切です。
フィードバッグをもらう機会となる
これは、人間のモチベーションと大きく関係しています。一言にモチベーションといえば、「やる気」「動機付け」と考えられますが、そのメカニズムは非常に複雑であり、単純なものではありません。しかし、一つ確かとされていることは、人間は、あるアクションに対して外部からのフィードバックが得られるだけでモチベーションが上がるということです。
「継続は力なり」と言われますが、「継続」するためには、個人の意志力、内面的な問題だけでは外部からフィードバックが得られるかどうかも大きな要因といえます。
答案添削を受ければ、どんな採点者に当たろうが、フィードバックを得ることができます。
良いフィードバックもあれば悪いフィードバックもあろうかと思いますが、全体的に見れば、自己添削の場合と比較して、あなたのモチベーションは向上していると考えられます。
勉強のある程度進み、初学段階を終えると、まだまだ続く勉強に途方に暮れて、やる気が出ないこともあるでしょう。そんな時は、答案添削をとりあえず受けてみるといいかもしれませんね。
さて、フィードバックにも良いものと悪いものがあると言いました。いずれも重要なフィードバックですが、あなたが答案添削を受ける理由によって、どちらを重視するべきかを変えてみるのもいいかもしれません。
しかし、予備校の添削などは、基本的には添削者を選ぶことはできません。そのため、フィードバックの質や量は、こちらではコントロールが
ネガティブフィードバック
ネガティブ・フィードバックは、「フィードバック」を受ける側の行動や言動に対して否定的な表現を用いる方法によるフィードバックのことを言います。「フィードバック」を受ける側は、自己の答案について否定的な表現を受けことで、自己の答案を見直す契機となります。その結果、答案の改善につながります。
したがって、具体的に答案作成スキルを向上させたい方は、こちらのネガティブフィードバックに注目してみるとよいかもしれません。
ポジティブフィードバック
ポジティブ・フィードバックは、「フィードバック」を受ける側の行動や言動に対して肯定的かつ前向きな表現を行う方法によるフィードバックのことを言います。自己肯定感を高めて意欲を向上させる効果があるとされていますので、なんだかやる気が出ない場合には、ポジティブフィードバックに注目して、自己肯定感を取り戻すのもよいかもしれません。
また、添削を受けたら上記の「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」に分けて、ノートに整理するなどをしてもよいかもしれません。なんだかやる気が出ないときは、ポジティブフィードバックをまとめたノートを読み返してみましょう。自己肯定感が向上し、やる気の回復につながるでしょう。
他方で、ネガティブフィードバックをまとめたノートは、試験前に見直すツールにもなるでしょう。そこにはあなたの苦手が詰まっています。私も弱点ノートを持参して試験前に見直せるようにしていました。
間隔学習
間隔学習。これは、「間隔を空けて復習する」学習法のことです。別名、分散学習法とも呼ばれる学習法です。間隔学習が、科学的に効率の良い学習法とされる理由には、記憶のメカニズムに関係しています。忘却曲線をご存知の方は、多いと思いますが、人間の記憶は、一日でそのほとんどが忘却されてしまいます。
重ね塗り学習、分散学習などは、この人間の記憶の性質に鑑みて、間隔をあけて復習をすることで記憶の定着を促す勉強法です。
復習する回数は、タイミングも大事とされていますが、1回よりも2回、2回よりも3回と、見返す回数は多いほど記憶の定着は進むといわれています。
この点、答案添削を受ければ、必然とこの「重ね塗り学習」「分散学習」「間隔学習」をすることができます。
答案の添削が返ってくるのには時間がかかります。あなたが答案を起案し、提出するまでの間隔、提出してから返送されるまでの時間がかかります。だいたい2-3週間といったところでしょうか。
添削が返ってくれば、当然、当該問題を再検討することになるでしょう。「なぜこんな点数が低いのか」「解説にはこう解説されていてかけていたはず」など、答案を起案した時、解説を読んだ時を自然と思い返すことになります。この思い返す、想起することによって記憶の定着が進みます。
このように答案添削は、記憶の定着という観点からも有効な勉強法なのです。勉強のマネジメントが不得意な方、重ね塗り学習が大切なことがわかっていても、なかなか実践できない方は、答案添削を利用するとよいかもしれません。
どこで答案添削できるのか?
答案添削は、各予備校が提供しています。通常の論文の講座などに比べれば比較低廉な価格で提供されていると思います(もちろん、決して安くはありません。むしろ高いと感じていますが)。また、添削者もこちらで選ぶことができないというデメリットがあります。個人的には、金銭的余裕があるのであれば、添削者がだれかわかるものが良いと思います。最近は、添削者を選べるサービスもありますから、そのようなサービスを活用するのもよいかもしれません。
予備校の中では、例えば、アガルートの「司法試験答練」はおすすめの一つです。メリットしては、答案添削を受けられるのに加えて、題材がオリジナル予想問題である点です。
「本答練は,司法試験を総合4位で合格した渡辺悠人講師作成した司法試験本試験の完全オリジナル予想問題で実施します。問題から採点基準まで全て渡辺悠人講師が作成した最も司法試験に近い答練です。1問120分で8枚以内の答案を作成し,解説冊子を見ながら解説講義を受講し,添削を受けることで,司法試験への対応力を磨くことができます。(公式サイトより引用)」
司法試験対策のプロが予想した問題を解けるのは非常に意味があると思います。司法試験には、少なからず傾向がありますところ、この傾向を熟知したプロ作成の問題に触れることは、司法試験のプレ受験として利用が可能です。
しかもこの講座の場合、ほかの受講生の答案をチェックすることもできるそうです。他の受講生の答案は、受験者のレベルの相場を把握するために最適です。
当然、お財布との相談になりますが、効率よく勉強したいという方は、検討をされてもよいかと思います。
最後に
いかかがでしょうか。今回は、答案添削が効率のよい勉強法であることを様々な観点から解説させていただきました。
是非皆様の学習に取り入れて、効率的な学習を進めていきましょう。
また、当サイトでは、各アガルートの講座をレビューしております。私自身が、アガルート予備校を使い倒して司法試験に一発合格したので個人的に推奨している予備校絵です。予備校選びは、各人の好みや目的によって最適な予備校は異なると思いますが、アガルート予備校を検討されている方は、是非下記記事などをご参照ください。
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