今回は、会社法のおすすめの基本書である『会社法』田中亘の書評をしたいと思います。
会社法定番の基本書
会社法の基本書として人気なのは、リーガルクエストがあります。ファーストチョイスとしてリーガルクエストを選んだ方は多いかと思います。
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リーガルクエストは、コンパクトに会社法の規律の全体像を学ぶことが出来ます。また、比較的に分量が少ないため、通読に最適です。
もっとも、本書だけで論文対策に必要な知識を習得するのは難しいかもしれません。(もちろん本書を100パーセント理解してその通り記述できれば、合格答案を書くことは可能です)。
論点解説は、簡潔にとどめてあり、あくまでも会社法の基本的な規律を習得することに、主眼が置かれているように思われるからです。
また、ロースクールでの予習に耐えるためには、本書だけでは不十分でしょう。
会社法 第4版 (LEGAL QUEST)
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伊藤 靖史 大杉 謙一 田中 亘 松井 秀征
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田中亘『会社法』
本書は、数字でわかる会社法等数々の名著を執筆されている田中亘教授による基本書になります。
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782ページ
まず、ページ数は782であり、かなり分厚いです。そのため、通読用には不向きかもしれません。
もっとも、論点に関する深い記述もあり、わからない場合に辞書的に使うのに適しています。私の場合、ローの予習は基本的に本書のみで事足りています。
また、本書は分厚く、かつハードカバーであることから、一見すると難解な基本書であるかに思われると思います。
しかし、読んでもらえればわかりますが、文章自体は大変わかりやすく、初学者が0から学ぶことが可能なようになっています。
膨大な数のコラム
さらに本書の良いところを言うと、膨大な数のコラムにあります。
例
2-5 908条1項及び表見規定をめぐる解釈問題
4-6 定時株主総会はなぜ6月開催なのか
4-26 瑕疵連鎖に関する論点
5-6 会計上の利益・費用とキャッシュフロー
6-12 デット・エクイティ・スワップ
等々たくさんのコラムがあります。これだけで本一冊分の価値はあると思います。
弁護士になった後も使える
本書には、確かに司法試験ではおよそ問われることのない高度な内容を幾分か含んでいます。しかし、実務家となった暁には、本書の恩恵を受けることが多くなるのではないでしょうか。
私も実務家になった際にも使えると考えて本書を購入しました。本書を購入してからは、いつも会社法で分からないところがあれば、まず本書で調べます。そうすると、ほぼ100パーセント解決されますね。それくらい、会社法の問題点を網羅していると思います。
手元の基本書では、解決できないことが多いと感じている方には、本書を購入することを強く勧めます。
また、初めて基本書を買うという方で、司法試験の受験を考えてる方にもおすすめします。
リーガルクエストも優れた基本書ですが、前述したように、ロースクールの授業や司法試験対策には不十分なところがあると思います。
もっとも、通読するのは大変ですから、予備校本等をお持ちでない方は、まずはリーガルクエストがいいかと思います。
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最後に
いかがでしたでしょうか。私としては、ファーストチョイスは、リーガルクエスト。二冊目に、田中亘『会社法』をおすすめ致します。
Point
一冊目→リーガルクエスト
二冊目→田中亘『会社法』
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