今回は、2018年度司法試験予備試験に合格した際の、民事訴訟法の再現答案をご紹介したいと思います。
初めに
他、以下のような再現答案を作成しております。この記事の最後にリンクを再度つけておりますので、どうぞそちらもご確認ください。
記事が見つかりませんでした。
追記
参考として、以下私の成績をご紹介いたします。
科目 | 評価 | 順位 |
憲法 | A | 118点 |
行政法 | A | |
民法 | A | 200点 |
商法 | A | |
民事訴訟法 | A | |
刑法 | A | 143点 |
刑事訴訟法 | A | |
労働法 | 46点 | |
論文総合 | 130位代 |
再現答案
設問1
- 主観的予備的請求の可否
同一の訴訟によってY及び株式会社Zを被告とする手段として、主観的予備的請求が考えられる。すなわち、XのYに対する請求が認容されるとこを解除条件とするXのZに対する請求を、XのYに対する主位的請求に併合する方法である。このような併合形態を認める明文を欠くため、認められるのか問題となる。
主観的予備的請求は認められないと解すべきである。なぜなら、主位的請求が認容された場合には、予備的請求が審判されないことから、予備的被告の地位が不安定となるし、また、必ずしも判決内容が統一されるとは限られないからである。さらに、原告の両負けを防ぐ制度として、同時審判申出訴訟(41条)があることから、この併合形態を認める必要性は高くないからである。
よって、この手段は認められない。
- 同時審判の申出訴訟の可否
同時審判申出訴訟によって、同一の訴訟によってY及びZを被告とすることが考えられる。
(1)通常訴訟の要件
まず、XのYに対する請求とXのZに対する請求は、いずれも民事訴訟であり、かつ、第一審に係属することから、訴訟手続の同一性及び審級の同一性が認められる(136条)
次に、両請求は、XY間の売買契約という共通の原因に基づく請求であるから、共同訴訟の要件も充す(38条前段)
(2)同時審判申出訴訟の要件
「法律上並存し得ない関係」とは、両請求が論理的に両立しない場合を言うところ、XのYに対する請求と、XのZに対する請求は、論理的両立しない関係にあるというべきである。なぜなら、XY間の売買契約の効果帰属先は、YまたはZのいずれか一方しか考えられず、両請求が同時に認容されることはないからである。
したがって、L1は、同時審判の申出をすれば、この方法により同一の訴訟によってY及びZを被告とすることができる。
設問2
まず、Zは、Yを被告とする訴訟(以下前訴とする)の当事者ではないから、既判力を受けない(115条1項参照)。
次に、YZ間に実体法上特殊な関係が認められないことから、Xは、いわゆる反射効理論を肯定する見解からも、前訴の判決を援用することはできない。
そこで、Xは、訴訟告知によるいわゆる参加的効力(46条)より、前訴判決を援用することができるか。本件においてXとZの間には利害関係の対立があるため問題となる。
参加的効力の趣旨は、共同戦線を張った参加人と被参加人は、敗訴責任を分担するべきということにある。そうだとすれば、補助参加の利益のある者に訴訟告知をすれば直ちに参加的効力が生じると解すべきではない。その趣旨に鑑みて、共同戦線を張ることが期待できるような関係にあることを要すると解すべきである。
本件について検討するに、上述の通り、XのYに対する請求が認容されれば、XのZに対する請求は認められない関係にあることから、XとZの間には、共同戦線を張ることが期待てきる関係にあると言える。
したがって、Xは前訴の判決を援用することができる。
設問3
上述の通り、両請求は論理的に両立しない関係であるから、実体法上、原告が両負けする事態は避けるべきである。それにもかかわらず、弁論の分離をしてしまうと、原告が両負けする可能性が出てしまう。原告の両負け回避という観点から、弁論の分離は、裁判所の裁量の範囲を逸脱するものとして違法であると主張する。
以上
最後に
再現答案はいかがでしたでしょうか?
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