法学部生の皆さんの中には、「法学部の就職先がイメージできない」「法学部生としての強みをどのように活かせばいいのか」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
法学部の就職先と聞いて、まず思い浮かぶのは法曹(裁判官・検察官・弁護士)かもしれませんが、実際にはそれ以外にも多くの選択肢が存在します。
この記事では、法学部で人気の就職先やおすすめの職種・資格について解説します。法学部ならではの就活事情についても触れていますので、これから就職活動を控えている法学部生はぜひ参考にしてください。
法学部で人気の就職先一覧〜業界別
まずは、法学部生が選ぶことの多い就職先について業界別に見ていきましょう。
1. 法曹(裁判官・検察官・弁護士)
法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)は、法律の知識を直接活かせる職業です。法学部で学んだ専門知識を活かして法曹を目指す学生は多く、法科大学院の修了や司法試験の合格を目指すことが一般的です。ただし、道のりは険しく、法曹を目指すには相当な努力が求められます。それでも、法律知識をフルに活かせるやりがいのある仕事であるため、多くの法学部生にとって目指すべき職業の一つです。
司法試験の勉強法については、以下の記事で詳しく解説しています。

2. 公務員
法学部生にとって、公務員も人気のある就職先です。公務員試験には憲法、民法、行政法などの法律科目が含まれるため、法学部生は試験対策を有利に進めることができます。公務員の職種も多岐にわたり、国家公務員、地方公務員、警察官、教員などが選択肢に含まれます。
3. 金融業界
金融業界は、法学部で学んだ法律知識を活かしやすい業界です。特に、金融商品に関わる業務では、金利や担保に関する知識が求められることが多く、法学部生にとっては相性の良い職場です。お金を扱う責任感が問われますが、その分多くの人々の生活に直接影響を与える重要な役割を担います。
4. 商社
商社も法学部生に人気の高い就職先です。商社では、国際的な取引において契約書の作成や交渉が重要な役割を果たします。そのため、商法や国際法の知識を持つ法学部生は、商社での業務を通じて大きな活躍が期待されます。グローバルに活躍したいと考える学生にとって、商社は魅力的な選択肢です。
5. メーカー
メーカー業界は、人々の生活に欠かせない製品を製造・販売する役割を担っています。法学部生は、製品の安全性に関わる法規制や知的財産に関する法律知識を活かして、メーカーの様々な部門で活躍することができます。法律知識を背景に、多くの場面で重要な役割を担うでしょう。
6. 医薬品業界
医薬品業界では、法規制が厳しいため、法学部で学んだ法的知識を活かす機会が多くあります。医薬品の安全性を確保するための法的知識や、法改正に迅速に対応する能力が求められるため、法学部生にとっては魅力的な業界です。
7. 不動産業界
不動産業界は、法律知識が深く関わる業界です。土地や建物の売買・賃貸契約に関わる際には、民法や建築基準法の知識が必要となり、法学部生にとっては得意分野を活かせる職場です。不動産業界でのキャリアは、法律に関する幅広い知識を活用する場面が多く、充実した仕事が期待されます。
8. 情報通信・IT業界
情報通信・IT業界では、法律と技術を組み合わせたLegalTechやGovTechが注目されています。これらは、法学部で学んだ法律知識を活かしつつ、新しい技術を活用して業務を効率化することを目指しています。IT分野においても、法学部生はその専門性を発揮できる機会が増えています。
9. コンサルティング業界
コンサルティング業界では、企業が直面する問題を解決するための提案やアドバイスを行います。法学部で培った論理的思考力や問題解決力を活かして、クライアントに対して最適なソリューションを提供することができます。
10. 教育・人材業界
教育・人材業界は、法学部生にとっても魅力的な選択肢です。特に人材紹介会社では、個人情報保護法や労働基準法などの法律知識が活かされます。また、教育業界では、学校教育法や教育基本法の知識が求められる場面も多く、法学部生が活躍できるフィールドが広がっています。
法学部生におすすめの職種
次に、法学部生が活躍できる具体的な職種について紹介します。
1. 法務職
法務職は、企業内で法律に関する業務を担当する職種です。契約書のチェックや法律相談、訴訟対応などを行うため、法学部で学んだ知識を直接活かせる職種として人気があります。法務部門は多くの企業で設置されており、法学部生が専門性を発揮しやすい分野です。
2. 人事労務職
人事労務職は、労働法を中心とした法律知識を活かすことができる職種です。従業員の採用や評価、労働環境の整備などを担当し、企業の人材管理を支える重要な役割を担います。法学部での学びを基に、適切な労働環境の整備に貢献することが求められます。
3. コンサルタント
コンサルタントは、企業の課題を解決するための提案を行う職種です。法学部で培った論理的思考力や文章解釈能力を活かし、クライアントに対して効果的な解決策を提示する役割を担います。新しい知識を学び続けることが求められるため、チャレンジ精神旺盛な人に向いています。
法学部の専門性を活かせる資格
法学部生がその専門性を活かすために取得を目指すべき資格についても紹介します。
1. 司法書士
司法書士は、登記や訴訟業務、成年後見業務などを担当する法律の専門家です。市民にとって身近な法律家として、様々な法的トラブルの解決に貢献します。特に、軽微な民事事件の対応など、法学部で学んだ知識を活かせる場面が多い資格です。
2. 行政書士
行政書士は、官公庁に提出する書類の作成や手続きに関わる専門職です。司法書士に比べて難易度が低いことから、法律系資格の登竜門として位置づけられています。書類作成に関わる
業務が主な仕事となりますが、法的な知識を活かしたコンサルティングやアドバイス業務も重要な役割を果たします。行政書士は、特に中小企業や個人事業主にとって頼りになる存在であり、実務の中で法律知識を直接活かすことができます。
3. 社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)は、労働社会保険の手続きや、企業の労務管理に関する相談・指導を行う専門職です。労働基準法や社会保険法などに関する深い知識を活かして、企業の人事・労務管理をサポートします。特に、労働問題や労使関係のトラブルを防止・解決するために、法学部で学んだ知識が大いに役立ちます。
法学部生におすすめの法律系資格については、以下で詳しく解説しています。

法学部の就職活動事情
法学部生の就職活動は、その進路や目指す業界によって、他の学部生と異なる独自のスケジュールや対策が求められます。
1. 独占業務系資格は試験スケジュールと連動
法学部生が目指すことの多い業務独占資格、例えば司法書士や弁護士などは、資格試験のスケジュールと就職活動が密接に連動しています。
大手法律事務所や企業の法務部門では、司法試験の結果発表を待って採用活動を行うケースが多いため、試験勉強と就職活動を同時並行で進める計画が必要になります。
また、資格取得後に就職活動を開始する場合もありますが、いずれにせよ、早期に目指す業界や職種の情報を収集し、計画的にスケジュールを立てることが成功の鍵です。
2. 一般的な就職活動との違い
業務独占資格以外の職種を目指す場合、一般的な就職活動スケジュールに従って動くことになります。例えば、企業の説明会やインターンシップへの参加、エントリーシートの提出などが中心となります。
しかし、法学部生の場合は、民間企業の就職活動に関する情報が得にくいことが多いため、早期からの情報収集が重要です。
3. 早期内定を目指すための戦略
法学部生の中には、早期内定を目指して逆求人サービスや内定直結型インターンシップを活用する学生も増えています。
これらのサービスを利用することで、早い段階から企業と接点を持ち、面接や選考の経験を積むことができます。
特に、逆求人サービスでは、自分のプロフィールを登録するだけで企業からオファーが届くため、効率的に就職活動を進めることが可能です。
まとめ
法学部生の就職先は法曹や公務員だけでなく、民間企業や多様な業界にも広がっています。法律の専門知識を活かせる職種として、法務職やコンサルタント、行政書士や社会保険労務士といった資格取得者が活躍できる場も数多くあります。
法学部で学んだ知識やスキルを活かすためには、早期からの情報収集と計画的な準備が欠かせません。自分に合ったキャリアパスを見つけ、充実した就職活動を成功させるために、今回紹介した業界や職種、資格取得の情報を参考にしてみてください。
また、就職活動をスムーズに進めるために、逆求人サービスを活用し、早期に企業との接点を持つことも検討してみてください。自分に合った仕事を見つけ、法学部での学びを最大限に活かして充実したキャリアを築いていきましょう。
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